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強い力と弱い力 はじめに 3



幻冬舎新書の「強い力と弱い力」を読みながらノートをとったり、まとめたり感想を書き留めたりしています。


前回は、ベータ線とガンマ線がDNAに及ぼす影響についてまとめたので、今回は実際に、セシウム137の原子核の中で起きていることに焦点を当てます。


セシウム137は放出された時点では、陽子が55個、中性子が82個、原子核の中にあります。原子核は陽子の数と中性子の数が違うと不安定です。安定するためには中性子を陽子に変えなくてはなりません。中性子が陽子に変わるときに働くのが「弱い力」です。

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陽子はプラスの電荷を、電子はマイナスの電荷をもっていますが、中性子はプラスでもマイナスでもなくて中性です。この中性子がプラスの電荷をもつ陽子に変わるときには、マイナスの電荷をもつ電子を放出してバリウムになります。


中性子は電荷がゼロ

陽子のプラスと電子の電荷はプラスとマイナスで、まとまりとして考えるとこれも電荷はゼロ。


反応の前と後で電荷の量は変わっていません。ただ電子は中性子から高いエネルギーで放出されます。この電子がベータ線です。

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電子を放出して中性子が陽子になると、セシウムはバリウムになりますが、中性子が突然陽子になって、落ち着かない状態にあるんだそうです。これはちょっと、わかったようなわからないような説明ですね。

電子が出るのは電荷がプラスマイナスゼロになるのですっきりしましたけど、中性子が陽子に変化したバリウムが「落ち着かない」ってどういうことでしょう?

これも本編でのお楽しみですね。


バリウムは安定した状態になるために余計なエネルギーを電磁波によって放出します。これがガンマ線です。

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ベータ線やガンマ線は放射線の一種です。この放射線の量が半分になるまでの期間を半減期といいます。


セシウム137の半減期は30年と、とても長いんです。30年たっても半分のセシウムがバリウムになっていなくって、放射線を出し続けるんですね。

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