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原生林トレイル櫛形山

この山は天気が悪いとき、とても楽しい。もちろん晴れていてもいいんだけど、曇っていたりガスがかかっているときは、「おぉぉぉ」となる。

櫛の形をしているので櫛形山。ネーミングも分かり易い。麓からのトレイルは何本もあるもののどれもほぼ直登で急。汗が一気に噴き出てくる感じがとっても気持ちいいのです。

次第に植生が変わっていく。山頂に近づくと傾斜が緩らかになり、きもちのよいツーリングとなる。この山は最初にきついトレーニングしてからそのあとご褒美なのだ。標高2000m付近のツーリングは涼しくて汗も引いてくる。この緩やかな場所にこの山のメインアイテムとなる、「原生林」が出現する。幽玄ともいえる雰囲気だ。樹齢何百年という太い幹には、想像もできない歴史を感じることができる。毎日同じ場所に立ち、太陽の光、風雨を受けて、行き交う動物や登山者を見てきたこの木々たち。彼らが生まれてからの一部始終をみたくなる。

初めて登ったのは小学校5年の時、麓の町の小学校に勤める母に連れられてだ。正直、行程の記憶はほとんどない。母に当時の話を聞くと、「半分登るまでに疲れて機嫌も悪く、山頂までは厳しいかなと思っていたところに、そばにいたおじさんが一緒に歩いてくれ、サルオガセやトリカブト、木々、いろんな植物の説明をしてくれていたら、おじさんの話に夢中になり、知らないうちに頂上についてしまったよ」とのこと。櫛形山の原生林は不機嫌な小学生をも回復させてしまうようだ。

ルートに沿って写真で見ていきましょう。今回のルートは「見晴平~北尾根~アヤメ平~山頂~北尾根~見晴平」となります。目安の所要時間はトレイルランニング2時間30分、トレッキング5時間ほど。
📸Yasuo Wakayama

1 丸山登山道41分。高尾76分。櫛形山名物「細かすぎる標識」分単位での案内になっていて、まるで時刻表ですね。

2 いざ上空へ。薄い霧の見晴平(1000m)から一気に駆け上がり、標高を上げる。この日は1700m付近で雲が切れ、幻想的な景色が待っていた。

3 森のファンタジー。こういうのに出会うと、来て良かったなぁ、と心から思える瞬間ですね。

4 標高1900mの草原「アヤメ平」。かつてはアヤメの群生地として有名で地元主催のアヤメ祭りには毎年約1000名が登山しました。僕もその一人。しかし鹿の食害などにより、20年前にはアヤメはほぼやられてしまい、今は鹿柵をつくり、アヤメを再生させる取り組みを行っているんですね。

5 いよいよ巨木のお迎えです。アヤメ平を越えると、いよいよ原生林エリア。雰囲気ががらっと変わり、巨木の歓迎を受けることができます。傾斜はいつの間にかなだらかに。

6 とろろ昆布の森。カラマツ、コメツガ、シラビソなどの針葉樹林が直立に立ち並ぶ。それらに絡まる、とろろ昆布ではなく「サルオガセ」。髭のような、難波船の敗れたマストのような、重力に逆らわない脱力感がたまらなく好きでいつまでも眺めていられます。

7 ワインディングトレイル。「ひゃっほ~」と声が出てしまう、気持ちよすぎる連続カーブ。

8 マジカルトレイル。この林の中を走ると、「俺かっこいいな」、と錯覚する(笑)

9 櫛形山山頂2052.2m山頂。雲がなければ正面に富士山の眺望あり。今日は雲の中。日向も日影もある快適な山頂広場。敷物を敷いてお弁当を食べたいな~。

10 ダケカンバさん、今日も見守りご苦労様です。いつも行き交う我々を見守ってくれている巨大なダケカンバ。見つけられるかな??
山頂から池の茶屋方面へ行くと突如現れます。この巨木と一緒に思い思いの一枚を撮ってみて!

11 Deepすぎるな。濃い緑に光が当たると何とも言えない鮮やかな緑に。山頂北側は緑がさらに濃い。深すぎる。

12  森に走らされている私。霧に包まれた森の中をさっと駆け抜ける。人間の潜在能力を引き出してくれる。

13 ほこら小屋で一休み。中はとてもきれい。来たときよりも美しく!ほこらタイムを楽しみましょう。

14 ん~~~まい!極上の一杯が味わえる、ほこら小屋裏側にある天然の水場へようこそ!

15 非日常から日常へ。見上げると山から飛び降りた感じがする。さっきあの上にいたのにね~。

次回は自転車コース紹介します!

yamamoto


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