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【読書感想文】ロダンの目に映った日本の美の真髄『花子』

明治・大正期を代表する文豪、森鴎外による短編小説。本作で鷗外は、フランスの彫刻家ロダンと日本の女優・花子の出会いを描いています。

ロダンはデッサンのモデルに花子という女性を選びました。しかし、花子の外見が貧相だったため、一緒にいた日本人の医者は恥ずかしく感じてしまいます。しかし、ロダンは花子の体つきの美しさに満足したのです。

ロダンは面白いことを言います。「マドモアセユは実に美しい体を持つてゐます。~略~腰ばかり濶くて、肩の狭い北ヨオロツパのチイプとも違ふ。強さの美ですね」と。この言葉は、鴎外が考える芸術の本質を表しているように思えます。

この小説の見どころは、ロダンが花子の美しさをどう評価したかということでしょう。西洋人の目から見た日本人の美しさが描かれていて、とても興味深いです。鴎外は、日本の美を西洋の視点から見ることで、新しい美の発見を私たちに教えてくれています。

私は、本作を読んで、鴎外が芸術や日本の美をよく理解していたことがわかりました。西洋と東洋の美の違いだけでなく、共通する部分もあることに気づかされます。美には色々な形があるけれど、どこか共通するものもあるんだなと感じました。

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