神様のモノは神様に：聖書をめぐる旅　5/30

5/30（月）
　バビロンに占領される直前に、ユダの王は奴隷を解放することを宣言しました。しかし、民は一時の奴隷解放で再び使用人を奴隷にしてしまいます。これは、神様との契約を破るものでした。なぜなら、彼らはかつてエジプトで奴隷状態であるところから、神様によって解放された身なのですから。　
　

エレミヤ書34章

9王は全住民に、ヘブル人（イスラエル人）の奴隷は男女を問わずすべて自由の身にするようにと命じたのです。ユダヤ人は兄弟同士だから、奴隷にしてはいけないというのです。 10高官や住民はみな王の命令に従い、奴隷を自由の身にしましたが、それは一時的なことでした。 11あとで心変わりして、使用人を再び奴隷にしました。

14わたしは彼らに、ヘブル人の奴隷は例外なしに、六年の年季が明けたら自由の身にしなければならない、と念を押した。だが、このことは実行されなかった。

18-19おまえたちは契約を守らなかったので、誓いを確かなものとするために牛を二つに断ち切ってその間を通る儀式にならい、おまえたちを真っ二つにする。高官であろうが、宮廷の役人であろうが、祭司であろうが、一般市民であろうが、誓いを破った以上は、家畜のように殺す。

　奴隷の解放
　イスラエルの民はエジプトで奴隷の生活をしていました。神様は、奴隷の生活から解放してくださった方です。そのため、自分たちの同胞を奴隷としてずっと扱うことを禁止していました。土地には安息年というのがあって、6年間耕作をすると、7年目は1年間畑を休ませるという決まりが、イスラエルにはありました。この6年の年季があきたら自由にするというのも、この安息年に合わせて、同胞の奴隷を解放することなのかと思います。
　残念ながら、バビロンに包囲されたゼデキヤ王が奴隷解放を宣言しますが、民はいったんは解放するものの、再び使用人を奴隷にしてしまいます。
　土地も、人間もある一定の期限が過ぎると解放されるというのは、その持ち主が人間ではなく、創造主なる神様にあることをあらわしているように、思います。人間が持っているつもりの土地も、元々は神様のものです。7年の安息年が7回繰り返した次の年、すなわち最初の年から数えて50年目はヨベルの年といいます。50年目は、畑の休耕、売却された土地の返還、奴隷の解放の年といいます。ヨベルの年の基本理念は現状回復です。これをさかのぼると、神様のモノは神様に戻るべきと言えます。私たちは、戻るべきところがあります！

エレミヤ書35章

5私は彼らの前にぶどう酒の入ったつぼとコップを置き、「さあ飲みなさい」とすすめました。 6ところが、彼らはことわったのです。「私たちはぶどう酒を飲みません。先祖レカブの子ヨナダブが、子々孫々、永久にぶどう酒を飲んではならないと命じたからです。 7また、家を建てたり、作物を植えたり、ぶどう園を造ったり、畑を所有したりせず、いつもテントに住むようにと言いつけました。言われたとおりにして、自分の地で、満ち足りた長寿を全うするためです。

13イスラエルの神である天の軍勢の主は、こう言います。「ユダとエルサレムへ行って、レカブ家の人たちから教訓を学びなさい。 14彼らは先祖の命令を守り、ぶどう酒を飲まない。ところがおまえたちは、わたしがくり返し語ったのに、聞こうとも従おうともしない。 15わたしは次々に預言者を送り、悪の道から離れ、ほかの神々を拝むのをやめるようにと言わせた。わたしのことばに従うなら、おまえたちと先祖に与えたこの地で、平和に暮らせるようにすると言わせた。だがおまえたちは、聞こうとも従おうともしなかった。

　先祖の言い伝えを今も守り続けるレカブ家の人々に学びなさいと神様は語っておられます。神様が人間に与えた約束は大きく2つです。一つは、神様である主を心をつくし、精神をつくし、力をつくして愛しなさい。もう一つは、隣人を自分のように愛しなさいです。たった２つの約束の1つ目が守れないのがイスラエルの民です。神様がここで、怒っているのは真の神ではなく、偶像を礼拝したことです。神様はこれを姦淫の罪と言って、神様が最も嫌っております。
　先祖の言葉に忠実に生きたレカブ家の歩みを見ると、忠犬ハチ公を思い出します。いつも、御主人が渋谷駅まで伴ってくれたことから、秋田犬のハチは御主人が亡くなった後も、御主人の帰りを上野駅で待ち続けました。マタイの福音書25章21節では、5タラントンあずけたしもべが、ほかに5タラントンの収益を上げたことに対して、「忠実な良いしもべだ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。」と神様は語っておられます。私も、天国で神様に出会った時、忠実な良いしもべだと言われるように、生きたいと思いました。