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2022年に読んだ本―葉室麟

 2022年は103冊の本を読んだ。冊数を追わないようにはしているが、3年連続の100冊越えだった。

 一番読んだのは葉室麟で6.14冊(7人共著が1冊)。5年連続の1位だが、出版された単行本はほぼ文庫化されている(小説はすべてのはず)ので、今年はそれほど読むことはないだろう。
 初めて読んだのは2009年の「乾山晩愁」(角川文庫)。縄田一男の書評を見て、買ったんだったかなあ。それほど印象には残らず、次に買った「銀漢の賦」(文春文庫)も放置していたようだ。

 ところが2011年、会社の研修で「指定された本を読んで、仕事に活かせる点を見つける」みたいな宿題が出た。数十冊の本は、当然だがほぼビジネス書のような「ためになる本」。そんな本読んでる暇ないんだよ、おれはためにならない本しか読まないんだ、と思いながらリストを眺めると、「秋月記」があった。そう言えば、当時の社長が社内報に読後感を書かれていた。
 ちょうど角川文庫で文庫化されたばかりなので、買って読む。おもしろい。こう書いていると、読みながらの感触が、何となく頭の中に浮かんでくる。
 で、記録を見ると、2日で読み終わっている。宿題の期限があったからかもしれないが、複数の本を並行して読むので時間がかかる私にとっては、珍しい短期間だ。

 その後は、文庫化されるのを待ちかねて読み、71冊(ほかに共著7冊)を読んだ。1998年以降の私の記録では5位である。10年前に読んだ本と、昨年読んだ本を同列に評価できないが、「川あかり」(双葉文庫)、「山月庵茶会記」(講談社文庫)、「峠しぐれ」(双葉文庫)、「墨龍賦」(PHP文芸文庫)、「嵯峨野花譜」(文春文庫)なんかが印象に残っている。

 読み始めるとすぐに世界に引き込まれる文体とか、男女を問わず魅力的な登場人物とか、何度も楽しませてくれたことに感謝したい。

(余談)「みんなのフォトギャラリー」を「時代小説」で検索したら、こんなぴったりの写真が出てくるとは驚いた。

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