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憲法改正国民投票におけるルールの公正確保の必要性 ―スポットCM問題を中心に―

2022年6月28日、日本平和学会の春季研究大会の憲法と平和分科会で報告の機会がありました。報告内容は現在憲法審査会のテーマである国民投票法の問題に関するものです。

論文は大きく分けると二つの内容から成り立っています。

まず一つは、憲法改正国民投票法の成立の経緯と、その内容について、さらには、2021年法改正に至る政治的背景などについてです。

もう一つは、有料広告規制について、憲法上議論すべき論点についてです。

学会報告の機会をいただき、論文の形で書いてみたのですが、これまで、衆議院憲法審査会で発言してきたことを論理的にまとめる良い機会になりました。そこで、研究者の方だけでなく、報道関係者や憲法(審査会)に関心のある方にも参考資料にしていただければと、口述調に書き改めてみました。

前半は、事実関係がほとんどですが、後半は、かなり専門的な内容ですから、若干の加筆をしました。

憲法審査会については、開催頻度が注目を浴びているきらいがありますが、開催内容、つまりもっとルールの公正さの議論に充てられるべきという視点で描いたものです。

この機会に、多くの方にご理解いただき、このテーマの議論が活発になれば幸甚です。

2022年夏 山花郁夫


第1章 憲法改正国民投票法をめぐる制定時から2021年改正までの経緯

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