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高校時代の思い出に浸って、商標を調べた話

高校時代の、最大の遠出はどこか

 ある人が、SNSでこんな質問を投げかけていました。
 「高校時代の、最大の遠出はどこですか?(家族旅行や修学旅行以外で)」
 (う~ん、どこだろう?遠出はほとんど親と一緒だったから……)
 直接問われた訳でもないのに、考え込んでしまいました。

 記憶を探った結果、東京都北区の十条と気付きました。
 目的は、友達のおじいさんを訪ねるためです。

十条銀座商店街を歩き、感慨に浸った

 当時の私の生活圏は、横浜市の南側です。
 横浜駅に出るのさえも、ちょっとしたイベントでした。
 そのため、副都心(渋谷、新宿、池袋)を超え、さらに北上することは、大冒険に感じられました。
 一緒に行った友達も、同じ生活圏です。
 私も友達も東京に疎かったため、池袋で湘南新宿ラインと埼京線を間違えそうになりました。

十条の駅名標

 十条で下車し、味のある商店街を歩きます。
 アーケードには、「十条銀座商店街」とあります。
 「ずいぶんと遠くに来たなぁ。知らない駅の知らない商店街、ワクワクするなぁ」
 感慨に浸りつつ、友達のおじいさん宅へと向かいました。

商店街の登録商標はある?

 「○○商店街」の登録商標はあるのでしょうか。
 調べてみると、「戸越銀座商店街」(商標登録第6583223号)、「砂町銀座商店街」(商標登録第5919822号)が見つかりました。
 いずれも、「小売等役務」が主な指定役務(商標を使うサービスの範囲)です。
 「戸越銀座商店街」は文字商標で、地域団体商標制度を利用して登録されています。
 「砂町銀座商店街」は図形商標(ロゴ化)です。

十条の喫茶店『深海』の深海ゼリー

 地域団体商標制度とは、ご当地ブランドを保護するための制度です。
 具体的には、「地域名+商品又は役務の一般的な名称(普通名称)」から構成される文字商標を、この制度で保護します。

 「戸越銀座商店街」のように地域団体商標制度を利用すれば、文字のみによる模倣を商標権侵害として取り締まれる、というメリットがあります。   ただし、登録には一定の要件を満たす必要があり、手間がかかります。
 一方で、「砂町銀座商店街」のようにロゴ化した商標は、手間がかからず登録されやすいです。その反面、文字のみの模倣を排除しにくい傾向にあります。

まとめ

 「高校時代の、最大の遠出はどこですか?」への回答は様々です。
 中には、「友達と寝台特急で東京~青森を移動した」「ひとりで東京から九州まで新幹線で行った」猛者もいます。
 未知の場所へ行く喜びは、いつまでも覚えていたいですね。

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