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お笑い芸人のYoutubeを観て、著作権を考えた話

実力派の漫才師・銀シャリ

 このところ、結成16年以上の漫才師がトーナメント戦を繰り広げる大会「The Second」が話題となっています。
 最終決戦は、5月にフジテレビ系で放映される予定です。
 なお、「M1グランプリ」の王者は、出場資格がありません。

 漫才の実力がトップクラスのM1王者は、銀シャリではないでしょうか。
 銀シャリは、非常に珍しい苗字で絵が上手なボケ・鰻さんと、眼鏡がトレードマークでサッカーに詳しいツッコミ・橋本さんの、コンビです。
 漫才の時は、青いジャケットと赤いネクタイを着用します。
 動きを多用するボケの漫才が多い中、彼らは純粋な話術で勝負し、チャンピオンに登り詰めました。

人気の「鰻が起きてこない」シリーズ

 銀シャリの公式Youtubeでは、漫才だけでなく様々な企画に挑戦する2人を見ることができます。
 長く続いているシリーズに、「鰻が起きてこない」があります。
 ライブで地方のホテルに寝泊まりした際に、橋本さんが遅くまで寝ている鰻さんを起こしに行き、奇妙な場所で寝ている鰻さんを発見する、という流れの動画です。
 https://www.youtube.com/watch?v=Ga32kMtd4jY

 先日アップされた動画では、鰻さんはベランダのハンモックで寝ていました。
 橋本さんはいつものようにツッコミを入れますが、鰻さんが目覚める前に室内へと入って行きます。
 「外でユーミンの曲が流れているため、著作権的にマズい」と判断したためです。
 目が覚めた鰻さんも部屋に入って来て、ふたりのやり取りが始まります。


BGMが入ってしまったら著作権侵害?

 さて今回のように、Youtubeの動画を撮影していて、BGM(他人の著作物)が入ってしまったら、著作権法上問題なのでしょうか。
 今回の場合は、問題となりません。
 
 まず大原則として、他人が作った楽曲を許可なく録音・録画した場合は、複製権の侵害となります。
 また、録音・録画した音源や動画をネットにアップロードすることは、公衆送信権の侵害となります。

楽曲のイメージ

 しかし、今回はYoutubeの動画を撮影したところ、ホテルのベランダや鰻さんだけでなく、敷地内で流れていたユーミンの曲が取り込まれた、という状況です。
 楽曲を撮影の対象にしたのではありません。
 また、BGMのみを消し会話部分を残す編集は、今の技術では難しいです。

 これらの状況は、著作権法上の「付随対象著作物の利用」に当たります。
 著作権侵害となりません。

まとめ

 たまたま流れていたBGMが、著作権的に問題ないのか。
 細かい所までツッコミを入れる、橋本さんらしい着眼点です。

疑問のイメージ


 私も、知財の細かい疑問にも答えられるように頑張ろう、と思いました。


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