エゴは悪いことか?
エゴとは何か?
皆さんは「エゴ」という言葉にどういうイメージを持ちますか? なんか悪いイメージがありますよね。ただ気をつけたいのは、悪いイメージを持っている=言葉のバイアスがかかっているという点です。
では「エゴ」という言葉について確認してみましょう。ググってみると…
①認識・意欲・行動などの主体として、他と区別される自分。
②感覚の刺激や肉体的要求の知覚と、身体運動との間を調節する心理装置。自己保存の役割を果たす。
③ 自分本位の考え方や態度。また、そういう考え方の人。
ってな感じみたいです。主に使われる用法は③だと思いますので、ここでは③の意味に限定したいと思います。自己本位の考え方や態度…。いかにも悪そうに聞こえるでこざいます。しかしそれは否定されるべきでしょうか。聞き方をかえれば、皆さんは自己本位の考えや態度をとらない時ってありますか? たぶん無いですよね。恐らく皆さんが否定したいのはエゴ自体ではなく、公益を謳いエゴを覆い隠している姿勢ではないでしょうか。これについて具体例を用いて説明したいと思います。
エゴは許されないものか?(まちづくりを例に)
ところで昨日ある友達と対話をしました。彼はまちづくりを専門に勉強している友達です。今、彼は「なぜまちづくりをするのか?」といった問いに直面しています。私自身もまちづくりに携わった期間があり、彼の問いは非常に根源的で不可欠なものだと思います。私が様々なまちづくりの事業を見たことがありますが、残念ながら「当事者不在のまちづくり」が見受けられます。
たとえば空き家を活用する事業がありますが、それは何の目的をもとにやっているのでしょうか。と聞くと、案外答えられない場合もあるようです。空き家のリフォームは流行っていますので、やりたい!という気持ちも分からんでもありません。しかしそれでは手段が目的化しているだけです。まちづくりとは常に地域住民に寄り添うべきだと考えています。たとえば家の近くに空き家があったとして、活用しようが活用されず取り壊されようが興味がないっていう人は多いと思います。つまり空き家のリフォームは必ずしも地域住民が望んでいるとは限らないわけです。では空き家のリフォームは許されない行為なのでしょうか?というと、それは違うと思います。問題なのは、あたかも「地域住民が望んでいる」かのように、エゴだけを満たそうとする姿勢です。つまり自身のエゴを満たすという行為を、「みんなが望んでいる」と解釈し理性で覆い隠そうとしていることが問題なのです。
エゴは許されないものか(教育を例に)
このように「当事者不在のまちづくり」というのが見受けられますが、何もまちづくりに限った話ではありません。私が勉強している「教育」に関しても同様のことがいえます。
大学の教育法の授業では「学習指導案」というものを作成します。学習指導案とは、簡単にいうと授業の計画書のようなものです。授業などで様々な人の学習指導案を見ますが、そこでは「生徒不在の教室」が目にうかぶ指導案もあります。
では「生徒不在の教室」とは何か。それは生徒が存在しなくても成り立つ授業のことです。たとえば教師の知っている知識を垂れ流す授業は、その最たる例です。ただ自分の知っている知識を発表し快楽を得たい(=エゴ)という姿勢は、残念ながら見受けられます。決して教育とは「教師による知識の発表会」ではありません! 生徒を育成することにあります。学習指導案を見ると「生徒にどうなってほしい」という気持ちはさらさらなく、ただ自分のやりたいことをやるといったものです。繰り返しになりますが、エゴ自体は否定しません。しかし学校とは生徒を育成する場所ですから、自身のエゴを満たすだけ…、ましてや「生徒のため」と言って自身のエゴを覆い隠す…、それでは教育とは言えないでしょう。
エゴを覆い隠すことが悪い、すなわちエゴを覆い隠さなければ何をやってもいいか、という解釈は少々乱暴です。大事なのは、自身のエゴを満たしつつ、公益を図るということです。私自身、エゴは原動力であると考えています。ですのでエゴを否定してしまうと、人は無気力に陥ってしまうのではないでしょうか。かといってエゴが必ずしも公益に結び付くとは限りません。非常に難しい問題ですね。活動するうえで必要なのは、自身のエゴと他者にとっての公益の重なる部分を探すことだと思います。
最後に
だいぶケンカ腰の姿勢で文章を書きましたが、私自身空き家のリフォームなど積極的に活動している人は羨ましいと思います。上から文句を言ってしまいましたが、自分も他人に言えるほど褒められた人間ではありません。いろいろな立場の方とお話して、自分の知らない考えを吸収していきたいと思います。
小話でも
朝起きたら顔を洗うのですが、その際に使うヘアバンドがどっか行きました。知っている人がいたら教えてください。
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