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映像の質と価値とは。


まず、映像の質を『素材の質(主に画質)や編集技術』と定義する。

普段から映像関係の仕事が多いので、機材の購入や編集技術の向上は意識しているが、かつては「質を上げなければ」という考えしかなかった。

「人を喜ばせるには、質を上げなければいけない」

「誰かの役に立ちたいなら、高い機材で買った
素材で撮らなきゃ!」

特に、専門に通ってた2年間。この考えが金銭的、時間的な焦りとなり、波のように襲ってきた。

ある日のSNSにて、どこかのカップルの彼女さんがプレゼントしたスライドショーを見つける。構成はシンプルで、人気のJポップに写真をはめて彼氏との思い出を振り返るものだった。それは、上記の質という観点で考えれば決して高いものではなく、スマホの写真で編集技術もぎこちない、画質も低かった。

ただ、本当に素敵だった。

それは彼氏さんにとって、どれほど質の高いネトフリのドラマより、膨大な予算をかけているハリウッド映画よりもの価値のある宝物なんだろう。

質と価値は比例関係ではない、人の心を動かすのはその部分じゃない。
機材や編集なんて、あくまで表現と手段の一つだ。
重要なのは、作った側の想いが届くか?ではないか。

彼女から彼氏に対しての
「2人の思い出をまとめたい」といった気持ち。

子供から親に向けての「お母さん、お父さんの似顔絵を描きたい」という気持ち。

それは想いが直接届きやすいのだから、質なんて関係ない。

映画も音楽も小説も絵も作り手と受け手の間に、多くの人の意思が介在する想いを直接ではなく、複雑に加工して作品に刷り込むから届きにくくなってしまう。

しかし考察したり、ドキュメンタリーみたり
メイキングを見たらその作品の作者の想いにを理解して、ちゃんと価値を感じることもあるのではないか。

人の心を一番動せるのは、人の想い。


この先も作品と触れるにあたって、作者がどんな想いを伝えたいのかを理解したいし、仕事でも自主制作でも想いを届けられる作り手になりたい。

広告として、企業の方の

「商品を売りたい!」
という気持ちを消費者に届けたり

MVとして、アーティストの
「俺の音楽を多くの人に聴かせたい!」

という気持ちをリスナーに届けたり
映画として、自分の気持ちを日本中の人に届けたり。

質よりも大切な想いで価値を伝えたい。

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