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意志を鍛えるには、まずは行動すること

昨日、意志が弱い自分を変えたいと言った。

ところで、今日『影響力の武器』という本を読んだ。そこに、人は自らの選択を正当化しようと欲する、ということが書いてあった。

『影響力の武器』から例を借りると、競馬において、一度馬券を買うと、その人は賭けた馬がレースに勝つと信じ始めるそうだ。馬券を買う前後で、その馬が勝つ確率は変わらないのにも関わらず。自分の選択は正しかったと思いたがるのは、人の傾向であるようだ。

このように人は、意志を貫くことにより、誤った信念を持ってしまうことがある。具体的にさらに挙げるなら、カルトが良い例だろう。いくら自分で正しいと思い込んでいても、客観的に見て間違っていることはよくある。

しかし、完全に正しい選択は不可能だ。現実は複雑だからだ。一々、行動の正解は見えてこない。

私がよく読む『方法序説』という本がある。これは17世紀フランスの哲学者、デカルトの著作だ。

その著作の中で、「一度決めたら、その選択は完全に正しかったと考え、一貫して従うこと」ということが言われている。実生活においては、不確実でも速断を強いられる状況が、常にある。その中で、自分の選択を信じる重要性をデカルトは説いている。

また、私のある友人は、「自分の選んだ道が正しい道だと考えるべきだ」と言っていた。意志の弱い私にとって、その言葉はよい指針となった。

私は『影響力の武器』を読み、またぶれそうになった。人は一貫性にとらわれ、時に不合理な選択をしてしまうということを知り、意志の強さへの価値観が揺らいだ。確かに、臨機応変に対応できるなら、それに越したことはない。

しかし、右往左往していては、自分に自信が持てなくなるように思う。

好きなものは、何かを極端にやった結果として生まれるものだと思う。これは岡潔という数学者の受け売りである。

また、実業家の稲盛和夫は、仕事を「ど真剣」にやった末に、仕事が面白くてたまらなくなったそうだ。

このように、好きなものは、宝くじの当選のようにたまたま出会うものではない。それは自ら作り上げていくものである。

好きなものを作り上げるには、折れない心が大切だ。なぜなら、ある対象に極端に関わり続けることが、それを好きになる方法だからだ。

挫折しないためにはどうすればよいか。それは、過程あるいは結果に至るまでの作業を工夫することだ。結果を全てだと見ると、挫折しやすい。なぜなら、多くの場合、目に見える結果はすぐに出るものではないから。

どんなに華々しいヒーローでも、下積み時代はあるし、何度も大きな挫折を繰り返している。成功は、人生というプロセスの中では一部でしかない。栄枯盛衰という言葉があるように、どんなに綺麗な桜も、すぐに散ってしまう。だから、結果より過程を好きになった方が、幸福の総量は増すはずである。

過程を好きになるには、まずは行動してみることだ。ドイツの文豪ゲーテは、「はじめに行動ありき」と言った。それは正しい。始めることで、やる気は起きる。やる気は待っていてもこない。

始めると、続けたくなる。面倒くさい勉強も、始めればやる気が出る。勉強はすればするほど、学んだ内容に関連性が出てきて、面白くなる。このように、「まず始める→やる気が出る→積み重なる→好きになる」というシステムを作れば、過程自体を楽しめるようになる。

だから、やはり意志は強い方がよい。まずは始める、決断することから物事は始まるからだ。物は試しだ。その選択は間違っていることがある。しかし、間違いを恐れず、確固たる決断をすることの方が大事だ。右往左往せず、真っ直ぐに歩み続ければ、より遠くまで行ける。


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