マガジンのカバー画像

鳥類研究所

11
鳥の生物学、特に鳥の行動について学びます。
運営しているクリエイター

#渡り鳥

満月で空高く飛び、月食になると降下するクロムジアマツバメ

クロムジアマツバメ(Cypseloides niger borealis)は、がっしりとした体と長く尖った翼を持つ鳥です。羽色は黒で、頭部に白い部分があり、鳴き声は甲高い鳴き声が連続し、時折、より長い鳴き声も聞かれます。この鳥は、北米のアラスカ南東部からメキシコ南部で繁殖し、コロラド州からブラジル南西部に移動をします。新世界のクロムジアマツバメは絶滅の危機に瀕しています。 旧世界のアマツバメは、6-10ヶ月にわたって空中生活をおくるとされています。繁殖期以外の期間は、24時

地磁気の水平の傾きを感知して渡りの到着地を知る渡り鳥

ヨーロッパヨシキリAcrocephalus scirpaceusは、ヨーロッパから西アジアで繁殖し、7000km以上離れたアフリカのサハラ砂漠以南で越冬するために、渡りをしている。サハラ砂漠上空では、6kmの高さを飛行するという。ヨーロッパヨシキリは、渡りの時、地磁気の水平の傾き(伏角)を感じて、ヨーロッパの繁殖地に到達したと判断しているようだ。 渡り鳥は、視覚、嗅覚、磁場、あるいは星などを利用している。そのうち、磁場を地図として利用する渡り鳥の問題の1つは、その強度と方向