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満月で空高く飛び、月食になると降下するクロムジアマツバメ

クロムジアマツバメ(Cypseloides niger borealis)は、がっしりとした体と長く尖った翼を持つ鳥です。羽色は黒で、頭部に白い部分があり、鳴き声は甲高い鳴き声が連続し、時折、より長い鳴き声も聞かれます。この鳥は、北米のアラスカ南東部からメキシコ南部で繁殖し、コロラド州からブラジル南西部に移動をします。新世界のクロムジアマツバメは絶滅の危機に瀕しています。

旧世界のアマツバメは、6-10ヶ月にわたって空中生活をおくるとされています。繁殖期以外の期間は、24時間体制で空中を飛び回り、生命維持のための昆虫を捕食し、睡眠や交尾も飛翔中に行うとされています。

スウェーデンのルンド大学を中心とする国際研究チームは、新世界のクロムジアマツバメの飛行行動を調査し、報告しています(Current Biology)。その結果、8ヵ月半の移動の間、99%以上の時間帯で空中にいることがわかりました。

また、昼間は数百メートルの高度を飛んでいますが、満月の夜になると、2000メートルから4000メートルという非常に高い位置まで上昇することが観察されました。

2019年1月21日から22日の夜の皆既月食の際には、空が暗くなると、鳥たちは突然高度を下げ、1時間あまりの月食の間、その高さにとどまっていました。月食が終わると鳥たちは、以前の高い高度に戻りました。

この動きは、捕食者を避けるための反応であるか、月明かりが採餌の機会を提供するためである可能性がありますが、月明かりのある夜間は暗い夜間に比べて夜間飛行が活発になることから、ツバメが獲物を探している可能性が高いです。

「月の周期に関連した動物の行動については、まだ学ぶべきことがたくさんあります」と論文の著者は言っています。


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