見出し画像

さようなら ボク   2022/12/1

今日も夜がやってきた
寂しい夜がやってきた

ここが夜ということは
きっと今ごろ朝だろう

地球の裏のどこかの国が
朝を迎えているだろう

そしてきっとその朝は
とびきりの明るい朝だ

分かるよ それくらい
行かなくたって分かる

希望に満ちた朝焼けが
空を染めているさまが

朝陽が海に反射して
きらきら光っているさまが

行きかう人はみんな笑顔
泣いてる人なんていない

きっとある
そんな国

見えるよ それくらい
行かなくたって見える

だってここがその逆だから
こんなにもネガティブだから

この世はプラマイゼロでしょ

だったらこのネガとつり合うだけの
ポジの国があるはずだよ

寂しい月が欠けるとき
かたや朝陽がのぼる国

哀しい瞳が濡れるとき
かたや笑顔が晴れる国

おや
誰だろう

朝陽の下で笑うのは
あんなにピュアに笑うのは

あれはもしかしたら
僕なのではなかろうか

そうか いたんだ
あんなところに

おはよう 明るい僕
こんにちは 優しい僕

けれどもここは陰の国
今日も夜がやってきた

しかも今夜ときたらだ
とびきり陰が濃いときている

こんばんは 寂しい僕
さようなら 本当の僕

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?