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母と洗濯
私は94歳の母と二人で暮しています。母は自分のルーティンを崩すのがとても苦手で、毎日いくつかの事を判で押したように続けていないと何か嫌な事が起きるのではと不安になるようです。
年齢を重ねてきてそれが一層強くなってきているような気がします。
母は、朝起きるとカーテンを開けて、太陽の日差しをいっぱいに浴びます。太陽からその日一日の元気を貰っているようです。そしてシルバーカーを引いてゆっくりランドリーに向かいます。
その日、洗濯物が多くても少なくても洗濯を始めます。我が家で20年余り頑張っている洗濯機が動き始めると、母はほっとしてその間に朝食をとるのです。パンとバナナとコーヒー、これが母の定番メニューです。
それから数十分して、洗濯機が仕事を終えた「ピ、ピ、ピ」と言う音を聞くと、母は再びランドリーに向かい、もう一度脱水を4分間かけて終わるのを待ちます。我家の洗濯機の癖を知り尽くしている母は、もう何十年も脱水の二度がけをしています。
洗濯が終わったら、部屋の中から洗濯物を外に干します。
転ぶと心配なので母はもう四年以上、外に出て干すことをやめました。
時間をかけて洗濯物を干し終えたら、母の洗濯タイムの終了です。
洗濯を終えると母はいつもほっとした表情をしています。
「私は今日も洗濯できた、私と同じように洗濯機も動いてくれた、いよいよこれから私の一日がスタートするんだ」母はそんな気持ちで毎日洗濯をしているようです。
その日洗濯できたことが、きっと母の生きている証なんだと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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また明日お会いしましょう。💗
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