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新宿ばなし

2023年2月あたりから
「セリフなし漫画」という形で
カラーの漫画を描いてきています。

今のところはまとめきれていないので
Instagramかpixivまでご覧ください。

来年5月に同人冊子にすることを目標に
展開していますが
舞台となっているのが新宿と
中央線沿線、そして都下の
東京を舞台とした話となってます。

漫画冊子のタイトルは
これから決めるとかいう本末転倒ぶり。

「新宿と中央線中心とした話をやりたい」
これはずっとあたためていた題材でした。

最初は漠然と「東京の話」だったのですが
東京舞台の話なんて昔っから、
めちゃくちゃあるんですよね。
葛飾には寅さんと、こち亀の両さんがいるし
浅草にはお笑いが、両国には相撲が。
港区、銀座、原宿、渋谷、秋葉は言うに及ばず。

ちなみにサザエさんの舞台は世田谷区、
ドラえもんは練馬区だったりします。

最終的に拠点として絞った新宿も例外ではなく
City Hunterが今もたまにドンパチやってたり
歌舞伎町のドロドロ漫画も引くてあまた。
椎名林檎さんが楽曲によく新宿を使っていたり
何かとネタにしやすいのです。

しかし、新宿を題材にした有名作品に関しては、
大好きだった一方で、少しモヤってました。
表向きの煌びやかなイメージや
フィクションが入ってることが多かったから。

夢や栄光求めて上京したわけではなく
山田はガチで新宿がホームです。

曾祖父が明治時代から眼鏡屋を営んでいた関係で
嫁ぐ前は本籍が新宿でした。
しかも東京大空襲前、新宿区になる前の
内藤新宿町時代の住所なので
現在は存在しません。変わらないらしい。
(場所は伏せます)

よって、漫画の舞台も現実の新宿ではなく
「内藤新宿町」が舞台の、
現存しない架空の街ということにしてます。
異世界といえば異世界。

お店は2代目の祖父が亡くなったあと
とっくの昔に潰れちゃったのですが
新宿はほぼ毎週、親に連れられて行ってました。

歌舞伎町一番街のアーチ

JR新宿駅の東口を出て
皺皺の祖母の手にひかれた先は歓楽街、
大遊戯場歌舞伎町…ではありませんでした。
林檎さんイカンですよと申し上げたい。
あそこは子供が魅せられるような場所じゃなく
昼はとくに、ばっちかったです。
今年のインクトーバーで歌舞伎町一番街描いてますが
当時はこんな空気でした。今も朝は同じかな。

幼い私が新宿でよく見たものは
様々な事情を抱えた大人たちの行き交う姿でした。
だいたいが歩行者天国で、埃っぽくて
爆音合戦の宣伝音のなか、ばたばたと
いろんな人々の靴が見え。

芸人ではない本物のサンドウィッチマンが
何個もの看板を抱えて佇んでました。
「あれは一番良くない者のする職業だ」と
祖母は言ってましたが、

祖父がよく唄っていた歌謡曲は
街のサンドウィッチマンという曲で
嫌悪はしつつも受け入れてはいるんだなと
子供ながらに思いました。

お昼時になると
大体わけわかんないバンドが
ステージでライブをやっていて
それを別段聞くわけでもなく
多くの人が人待ち顔で立っている。

近くではガラの悪いタクシーの運ちゃんが
タバコ吸いながらずらり客待ちやっており
隅っこには青空のしたに住んでいる
ダンボール装備の人が固まって寝ていて
お巡りさんは横目で、何にも言わない。

そんなむちゃくちゃな昼の光景を
マイク持ったタモリ氏がニヤニヤしながら
大画面から神様よろしく、見下ろしている。

私が見てきたリアルJR新宿駅東口は
じつに混沌きわめる世界でした。

西新宿、北新宿などが
また趣が違っていたことを知ったのは
社会人になって西新宿で働くようになってから。

正直、こっちは栄えてるようで、さびれてます。
いや、大人向きというべきか。
良い感じの飲み屋が多くて
高層ビルから見る夜景がきれいでした。

この店は2丁目ではなく、西新宿のはずれって設定

歌舞伎町、二丁目は大人になってから
同僚や先輩と飲みにいきました。
幸いにも姫扱いしてくるイケメンパラダイスには
今日までまったくご縁がありませんでしたが
二ちょ目のおねいさん方からはガッツリ「ぶす検定」を受け
(店によって女性は入店NGとか、暗黙の審査がある)
以後常連になったり。
あんたはもう卒業よって言われたり。

とにかく人がいっぱいいるんで
あらゆる職業、地方国籍、ジェンダー、価値観、思想を
持った人々がひとつの街に集いますから
もちろんぶつかったり、トラブルになることもあります。

でも新宿の人は基本的に、そこはざっくり
昔から許容してきたというイメージです。
そうでないと都会の商売は、回せませんものね。
逆立てないよう、一定のパーソナルスペースを
保って、ズカズカとは踏み込まないお付き合いをする。
昔から仲良いとか、お世話になった店はたまに通う。
その逆も然り。
イキって上がり込む田舎者を追い出すか否かは
とりあえず一歩引いて様子を見る。

そういう人付き合いの仕方を
私は新宿で学びました。

もしかしたら今は、ちょっと変わったかも。
めちゃくちゃピリピリ、ギスギスしてるかも。
なんか…これ、大丈夫か。
こないだ久しぶりに新宿行って、そう思いました。

…ならば描いてみようか、ちょっと前の新宿。
新宿の空気やほどよい距離感。
故郷が新宿の人間視点による
本来の東京の世界と、人付き合い。
それで裏で設定をあれこれ固め始め、
形にして出し始め、今に至ります。

ほかにもいろいろ書こうと思ったけど
なんか新宿の話オンリーになっちゃった。
しかもまだまだ語り足りない、
新宿独自のサブカルチャーとか。
あるんですいろいろ、こまったぜ。

そのあたりはめんどくさいので
セリフなし漫画のほうで
ちゃんと描いて行こうと思ってます。

中央線や都下(東京都23区外)の話も
おいおいnoteで話すつもりです。
需要ないけど自己満で。

とりあえず、最後はむりやり締める。

「本番後にサングラス、買いに来たらいいな」と思ってた

いいともー!

新宿はいいぞ!!

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