山田レシピ 「 バウムクーヘン 」 のつくりかた
「バウムクーヘン」のつくりかた
生地を幾層にも重ねて焼き、まるで木の年輪のような模様になるのが、一般的なバウムクーヘン。しかし本物のバウムクーヘンは、木っぽいのではなく、木そのもの。
「バウムの木」は「バウムの森」で育ちます。森に通い、自分だけの、世界で唯一のバウムクーヘンを完成させましょう。
[材料]
・最低週2日間の休暇
・丈夫な足腰
[下準備]
話し上手よりも、聞き上手になっておきましょう。
[つくりかた]
①リュックサックにお弁当と一泊分の着替えをつめて、「バウムの森」を目指しましょう。「バウムの森」に入ると、土はスポンジのようにふかふかで、甘い香りが漂っています。足をとられないよう、ふんばりましょう。
②森には等間隔に、空に向かってまっすぐ育つ木が無数に生えています。それらはすべて「バウムの木」です。木肌もふかふかです。
③森のなかにある管理小屋を訪ねます。小屋には、きこりの「バウムじいさん」が、ひとりぼっちでくらしています。バウムじいさんは、バウムの木がよく育つよう、雑草をかりとったり、余分な枝をまびいたり、新芽を食べる動物や人間を追い払ったりする、森の世話人です。
④バウムじいさんに頼んで、バウム1本分の土地をもらいうけ、苗木を植えます。そこからの主な作業は、じいさんの話し相手です。顔にふかく年輪のきざまれたじいさんの、これまでの人生の遍歴を聞きます。甘いロマンスもあれば、苦い経験もあります。ときどき相づちをうちながら、基本的にはだまって聞きましょう。
⑤「桃栗バウム三年柿八年」ということわざがあるように、3年ほどで立派な木に成長します。バウムじいさんのゴーサインが出たら、バウムカッターで根本から切り倒します。幹の中心部分は空洞なので、それほど大変な作業ではありません。
[しあげ]
余分な枝をはらい、幹をお好みの厚さに切り分けていきます。
できるだけ真ん丸になるように、形をととのえます。
[メモ]
切り落としたバウムの枝は、スーパーやコンビニで売っている個包装のバウムクーヘンになります。
先端の細い枝は、白いクリームをかけると「バームロール」になります。
おわり。
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