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【300字小説】動物トレーナーの憂鬱

 動物を使った最終兵器開発───
 A国の切り札になる計画が始まった。
 動物トレーナーとして名を馳せた森田は、F15戦闘機の後部座席に身体を滑り込ませる。
「少しの辛抱です」
 パイロットがヘルメットを被ると、エイリアンに護送される気分になった。
 ミサイルよりも効果的に、かわいい動物で人間を間引きするのだ。
 視界には空しか見えなくなった。
 凄まじいGに身体を捻じられ、目的地に着いた。
「うわあ」
 足元に群がる子猫たち。
「にゃ~」
 走り回ったり、丸まって眠ったり ───
「では、計画の詳細を……」
 書類の表題に「人類無力化計画」と書いてあった。
 手には、小さな ねこじゃらし がユラユラと風になびいていた。


「利益」をもたらすコンテンツは、すぐに廃れます。 不況、インフレ、円安などの経済不安から、短期的な利益を求める風潮があっても、真実は変わりません。 人の心を動かすのは「物語」以外にありません。 心を打つ物語を発信する。 時代が求めるのは、イノベーティブなブレークスルーです。