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「Chat GPT(生成系AI)」について

2022年の11月──約1年前にアメリカの『Open AI』社が公開したチャットポット「Chat GPT」の普及・実用化が、凄まじい速度で進んでいます。

念のため…Chat GPTとは、人工知能(AI)を使ったチャットサービスのことです。人間の質問に対してまるで人間のように自然に答える技術を搭載した「生成系AI」として注目を集め、現在は多くの(IT化に寛容な)企業が(性能が高い有料タイプの)同サービスを積極的に導入し、企画書やリリース文…ほか、さまざまの煩雑な作業を “丸投げ” している…と聞きます。
また、Chat GPTは「質問の仕方」で回答がガラッと変わってくるため、生成系AIの能力を最大限に活かすよう、適切なプロンプト(質問や指示)を作成し、AIから得られる回答や提案を分析・評価する「プロンプトエンジニア」なる専門職がビジネスとして成立している…とも聞きます。

では、近い将来…

「下手すりゃ我々のライター業の大半も “コイツ” に持ってかれてしまうのでは!?」

…などとも囁かれている生成系AIですが、はたして実際はどれくらいお利口なのでしょう? 
さっそくChat GPT(無料タイプ)で
試してみました。

まずは、自身のペンネーム
「山田ゴメス」で エゴサーチ!

「山田ゴメス」という名前や人物は私が知る限り存在しません。もし何か特定の背景や文脈があれば、詳しい回答をすることができますので、
お知らせください。

…と、返答されてしまいました。
「ボクの知名度は、まだしょせんこの程度なのね…」という残念感と「最新の生成系AIとはいえ、知識量はまだしょせんこの程度なのね…」という安堵感が交差する複雑な心境であります。

次に、ぼくよりは確実に著名な、かつて『Hot-Dog PRESS』でライターをやっていたころの元上司でもあった、評論家兼編集者でタレントでもある
「山田五郎」氏の名前を打ち込んでみました。

「山田五郎」という名前は、一般的な日本人の名前です。この名前を持つ具体的な人物や背景、文脈がある場合は、詳しい回答をすることができますので、
お知らせください。

ふ〜む、五郎サンでもダメなのか…。
んじゃ、俳優の「山田孝之」はどうだろう?

「山田孝之」(やまだたかゆき)は、日本の俳優であり、1983年8月20日生まれです。山口県出身で、2004年に映画『クローズZERO』で俳優デビューし、以降、映画やドラマなどで活躍しています。代表作には、映画『クローズZERO』や『Crows Zero II』、ドラマ『ATARU』、『ストロベリーナイト』、『カルテット』などがあります。また、2019年には主演映画『寝ても覚めても』で第44回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞しました。

…と、出てきました。
なるほど。この程度の知識量なのね…???

「(少なくとも現時点では)恐るるに足らず!」

そう一瞬ホッと胸を撫で下ろしたものの、

「もし何か特定の背景や文脈があれば、詳しい回答をすることができますので、お知らせください。」

…という、最後の一文を
よくよく噛み砕いて考えているうちに、

「律儀に特定の背景や文脈をChat GPTサマにお知らせしまくっていたら、1年後…いや、数ヶ月後には完ペキな “解説” が返ってくるのではないか!?」

…なんて風な恐怖が脳裏をよぎり、背筋がゾッと寒くなってきました。
「山田五郎」どころか「山田ゴメス」でさえも…!?
以降、おっかなすぎてChat GPTでのエゴサーチは
一切やっていません。

とあるイケイケの経済系ニュースメディアの経営陣として名を馳せる某氏も

「AI関連の記事は極論、一日寝かせただけで鮮度を
失ってしまう」

…なんてことをおっしゃっていました。
すでに文章はそのへんのライターさんより、
全然上手いし…。
Chat GPTが搭載している生態系AIがこのまま爆発的な “成長” を続ければ…そこまで遠くない将来、たとえば村上春樹先生のなりすましを気取りたければ、それなりのハルキさんチックな小説をちょちょいと執筆してくださる時代がやってくるのかもしれません。
一応、「村上春樹風の小説」と打ち込んでみると、

村上春樹といえば、その独特な文体が特徴的です。村上春樹風の文章を書くには、以下のような特徴的な表現や手法を取り入れることが一般的です。

・シンプルな言葉選びと簡潔な表現
・ノスタルジックな雰囲気やメランコリーな感覚
・不思議な出来事や不条理な状況の描写
・意味不明な言葉やシンボルの使用
・サブカルチャーの要素の取り込み

これらの特徴を取り入れた文章を書くことで、村上春樹風の文章を作ることができます。ただし、村上春樹の作品は非常に独特なものであるため、彼の作品の真似をするのではなく、自分自身の独自性を取り入れながら、村上春樹の影響を受けた文章を書くことを
おすすめします。

…という、にべもない答えが返ってきました。引き続き、

「村上春樹風の小説を書いてみてください」

…と、打ち込んでみたら、

はい、村上春樹風の小説を書きます。
以下はフィクションです。

彼女は窓際に座って、遠くの景色を眺めていた。いつものコーヒーカップを手に、煙草を吸っている。そこには彼女しかいない。そう、孤独だ。
彼女はここに来てから、一週間以上が経った。まだ、周りに人の気配はない。そんな彼女に、運命の人が現れるなんてことは、きっとないだろう。でも、彼女は希望を持って、窓の外を見つめる。
そんな彼女の前に、突然、一匹の黒い猫が現れた。彼女は驚いたが、猫は全く動じることなく、彼女の足元でくつろいでいた。
「あなた、どこから来たの?」
彼女が声をかけると、猫は微笑んだかのように、
頭を傾げた。
彼女は思い出した。彼女はこの町で、一番最初に猫を見たのは、彼女がこの部屋にやってきたその日だった。その時から、猫は何度も現れたが、いつも彼女の足元で静かに過ごしているだけだった。
「あなたは、私が知らない何かを知っているの?」
彼女が尋ねると、猫はまた微笑んだように、しばらくの間、じっと彼女を見つめた。
その時、彼女は突然、自分の中に眠っていた答えに気づいた。それは、彼女が探していたものだった。
「ああ、わかった。あなたが教えてくれたのね。
ありがとう、猫さん。」
彼女は、猫に手を伸ばした。猫は、彼女の手を少しだけ舐めたあと、再び微笑んで去っていった。
彼女は、窓の外を見つめたまま、自分が知ったことを考えた。そして、次の一歩を踏み出す決意をした。

…みたいに、どこらあたりが「村上春樹風」なのかイマイチ判然としない、クソつまらない(笑)短編小説がとりあえずは仕上がってきたんですけど、この

「情報を食って進化する
“満腹” を知らないモンスター」

…が、いつまでも「この程度」でとどまってくださっているはずもない──文末に「(笑)」なんぞを
付けて、小馬鹿にしている場合ではないのです。

なお、Chat GPT(生成系AI)については…
『日刊SPA!』でも、ここまでとはやや視点を変えた
コラムを寄稿していますので、もしお時間があれば読んでみてください。


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