【図解843】生き方は「融け合う」もの
【特殊型】人の生き方というのは知識や経験の足し算ではなく、それらが融け合って一体になったもの。
生まれながらの性質とも合わせるとその融け合い方は無数にあり、それが「その人の生き方」を形作る。
この図解の一工夫:「自分の生き方」を元の3つの色以外にすることで、「融け合って自分なりの生き方になったこと」を表現した。色の選択はユニバーサルデザイン推奨配色セットを活用し、さらに黄色に少しマゼンタを加え微調整することで多様な見え方に配慮しながら色の効果を活用した
※図解パターンの説明はこちら
先日読んだ「二宮翁夜話」の
(前略)神道は開国の道である。儒学は治国の道である。仏教は治心の道である。それで私は、高尚を尊ばず卑近をいとわず、この三道の正味ばかりを取った。正味とは、人間社会に切要なものをいう。(中略)戯れに名づけて神儒仏正味一粒丸という。(中略)
衣笠兵太夫が神儒仏三味の分量をたずねた。翁は、神道1さじ、儒仏半さじずつとこたえた。あるひとがそばにいて、これを図にして、三味の分量は(図=図解の半円が神道、1/4円が儒教、1/4円が仏教)こんなものですかと聞いた。翁は一笑して言われた。——世間にこんな寄せ物のような丸薬があるものか。丸薬といったからには、よくまざり合って、もはや何ものともわからないのだ。そうならなければ、口にはいって舌にさわり、腹の中に入って腹具合が悪い。よくよくまざり合って、何の品ともわからないものでなければならないのだ。
という文章の「融け合う」という表現が見事だと感じたので、この切り口を応用して私なりに「生き方」について図解にしたものです。
なので、背景がわかるように元の文章を引用しましたが、今回は厳密には上記の文章を図解したわけではありません
特に私のように図解を書いている人や、仕事で「分けてはっきりさせる」ことが求められる人は、それをつい無意識に生き方にも適応しがちなもの。
ただ、生き方というものはこの図解のように「融け合っている」ものだと思うので、無理に分けずにそのまま丸ごと飲み込んでしまうのもいいのではないかと思いました。
融け合っているものをそのまま楽しめる、そんな心のゆとりを持ちたいものですね。
この図解のアナロジー(類推。ここでは本質的な構造が似ている≒同じ図解で表現できるもの)は、「全体として混ざり合う」と一般化することで、
・ミックスジュース(さまざまな果物が混ざり合っています)
→単体の味のジュースに比べて、味に丸みやまろやかさがあります。「あいつは歳をとって丸くなった」といいますが、人の生き方も様々な経験が融け合うとまろやかになるのかもしれません
・人の感情(愛憎も別々ではなく、きっと融け合っているのでしょう)
→大事な人についネガティブな思いを抱いてしまっても、それも「融け合っているもの」として排斥せずに受け入れてもいいのかもしれません(相手を傷つけないように折り合いをつけるなどは必要かも)
などが考えられます。
この図解の元ネタの本はこちら。
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下書き(オレンジの線は視線設計)と、白黒バージョンとの比較。
最初はこの下書きを単純に図解にしましたが、初めて見る人にはわかりにくいと感じたのでその後色々試行錯誤し、なんとか自分なりに納得できる表現を見つけました。
また、白黒では「融け合う」がうまく表現できずただの「大きい円」になってしまったので、今回は色を使うことにしました。
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