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京都・石清水八幡宮周辺を歩く早春旅「五輪塔・航海記念塔」


大河ドラマ"光る君へ"第16話『華の影』観ました

多くの視聴者が期待していた枕草子の有名なエピソード『香炉峰の雪』がついに出てきましたね。ただあまりに唐突すぎてあっけないものになっていました。定子と清少納言、二人の関係をもっと深堀りしてから簾を撥げて雪を看て欲しかったのですが、主人公は紫式部なので仕方ありません。

疫病流行のシーン。これまで活躍していた陰陽師安倍晴明や祈祷師たちの出番はほとんどありませんでした。これはおそらく何らかの配慮だと思われます。コロナ禍が収束してもなおSNSで根拠なき主張をする一部の人たちと、己の道を進むためまっすぐ疫病と向き合った藤原道兼・道長兄弟、そしてまひろ。平安時代の物語のほうが合理的ってなんだかなぁ。ちょっと口が過ぎましたかね。

さて前回は石清水八幡宮門前名物、走井餅と抹茶を頂きました。今回は多くの謎に包まれている五輪塔を観にいきます。


眩しい青空と大きな鳥居。


石清水八幡宮「一の鳥居」なのですが、なんと現在放映されている大河ドラマに大変ゆかりのある扁額なんです。

こちらの扁額は一条天皇の勅命で藤原行成が書き、のちに松花堂昭乗が写したものになります。一条天皇は第16話時点での帝であり、藤原行成は一条天皇を支える四納言、そして三蹟の一人です。松花堂昭乗は時代が異なりますが寛永の三筆に称せられています。京都の鳥居をいろいろ観てまいりましたがこれほど凄い扁額はそうそうありません。八の字は石清水八幡宮の象徴、鳩が向き合っているように見えるとっても愛らしいデザインになっています。


屋台が並んでる。


『第三回やわたフェスタ』が行なわれていました。


イベントステージの演奏が鳴り響く中、私は人気のない山の方へ足を進めます。


でっか!


実は最近まで五輪塔を知らなくて、革堂行願寺の記事を書いているときに石清水八幡宮の近くにあることを知りました。


石清水八幡宮 五輪塔
(重要文化財)
この石塔は、鎌倉時代頃に建てられた五輪塔です。高さ六メートル、最下段の横幅は二・四メートルあり、中世以前の五輪塔では日本最大であり、国指定重要文化財となっています。
五輪塔は仏塔の一種であり、平安時代中期に日本で建てられはじめました。ほとんどの場合石造りで、形は物質構成の五つの要素を象徴しており、下から順に、「地、水、火、風、空」を表します。小さい五輪塔の多くは、墓標や記念塔として寺院などで建てられました。
一方、この石塔には刻印がなく、制作者や年代、目的など不明で、謎が多い五輪塔です。言い伝えによると、平安時代末頃、日宋貿易の摂津尼ケ崎の上人が中国から帰国する途中、海上で嵐に巻き込まれ、あわや転覆かの時、石清水八幡宮に一心に祈ったところ、無事本土にたどり着くことができ、感謝してこの石塔を建立したといいます。この話から、「航海記念塔」とも呼ばれています。

八幡ストーリー&ガイド
八幡市 2022年


革堂行願寺にもある五輪塔。発祥と由来はもちろん仏教です。つまりこの五輪塔は石清水八幡宮の神仏習合を示す遺構の一つになります。


この石塔が作られた目的や正確な建立年はわかっていません。一昔前のオカルト全盛期には宇宙人説やタイムマシン説が唱えられていたことでしょうね。


産経新聞の記事に石清水八幡宮五輪塔について研究者の詳しい解説が書かれていました。石工技術の大陸由来説は私もその通りだと思います。お城の石垣が洗練されるようになったのは江戸時代になってからですし。


他では見ることの出来ないスゴい重要文化財だと思うのですが、五輪塔を観に来た人は私を除いて一人しかいませんでした。アンバランスなオーバーツーリズムを感じつつ気を取り直し次の目的地へ向かうことにしました。以上です。

次回は八幡宮社殿とともに創建された旧神宮寺、絲杉山神應寺へ伺います。



今回の観光スポット


追記

note公式マガジンに記事が掲載されました。ありがとうございます。


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