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春風の京都・稲荷山登頂リベンジ旅「神田と梅咲く狛狐、あとナンジャモンジャ」


外国人観光客対象の"二重価格"について皆様はどのようなお考えをお持ちですか?

私はアリ派です。というか、下書きを書いては消し書いては消しを繰り返し、アリとナシを行き来しながらなんとか自分なりの考えをまとめることが出来ました。なぜアリかと申しますと、『ジャパンレールパス』というJRの外国人優遇企画乗車券があるからです。クールジャパンを目指していた時期は大変意義のあるチケットでした。現在は円安により必要以上の外国人観光客が押し寄せています。オーバーツーリズムの日本にジャパンレールパスは不要です。しかしJRはなぜか廃止する素振りを一切見せていません。みどりの窓口はどんどん削減したのにね。外国人を交通面で優遇しているのであれば、当然他のところで外国人観光客だけ料金を高くしてもいいという理屈が生まれます。

ただ外国人という理由だけで二重価格を設定することには反対です。専門家も仰っていますが、料金を上げた分だけの付加価値を必ずつけるべきです。多言語対応設備の充実、純和風のお土産、和服コスプレといった外国人が喜ぶおもてなしのサービスがあれば、姫路城が現在検討している外国人観光客料金四倍増しでも利用者は納得すると思います。

二重価格は一見新しい制度に見えますが、実は我々の身近なところに存在しています。京都は2018年に宿泊税を導入しました。これもいうなれば宿泊客に対する二重価格の一つに該当します。私は先日東福寺駅周辺を散策したのですが、宿泊税を活用した観光トイレが大変役に立ちました。大阪・関西万博の地元小学生無料招待もその一つです。花博では多くの小学生が訪れました。観光は地元民に大きな負担を強います。地元あっての観光ということで近くに住んでいる人を対象にした優遇サービスが全国各所で行なわれています。

法外な値段を要求するボッタクリという言葉があります。黒門市場や豊洲のインバウンド丼が叩かれているのは値段だけを釣り上げるボッタクリ行為が主な原因です。梅沢富美男さんも怒ってらっしゃいましたが、サービス内容はまったく変わっていないのに、海外がインフレしているからという理由だけで常連客を無視して必要以上に価格を上げて。そりゃ誰だって憤りを感じますよ。因果応報といいますかコロナ禍では黒門市場に閑古鳥が鳴きました。価値に見合った価格であればどんなに高くても誰も文句は言いません。

数年前に大阪城へ訪れた時のことです。入場者のほとんどは外国人だと観光ガイドの方が仰っていました。姫路城も同じ状況であるならば外国人だけを対象とはせず、USJやホテルなどが導入している価格変動制を利用するのも一つの手です。そもそも日本人の多くは知っています。城は外から眺めるものであって内から眺めるものではないということを。天守閣は安全のための網が張り巡らされているので視界は決して良好ではありません。乙武洋匡さんが以前お城のバリアフリー化を提言されていました。エレベーターが横付けされた城はかなりの不格好です。世界に誇れるものではなくなってしまいます。どうしても町を見下ろしたいならビルもしくは山に登ればいいのです。男山と稲荷山から眺める京都の景色はとても素晴らしいものでした。主要都市には完全バリアフリー化されたタワーがありますし、城郭展望にこだわる必要ってそんなにないんですよね。

・・・枕話のつもりが観光がテーマということで熱くなってしまいかなりの長文になりました。ごめんなさい。では旅の続きに参りますね。


今回の始まりは千本鳥居から。


テレビ朝日開局五十五周年記念の大鳥居になります。

当時の人気番組を覗いてみるとそんなに変わりがないですね。今も続いている番組が多く見受けられます。2023年の年間個人ゴールデンタイム視聴率は日本テレビが、全日の世帯視聴率と個人視聴率はテレビ朝日が1位を獲得しました。現在二強テレビ局の一つとなりましたから稲荷神のご利益は絶大です。

ちなみに一番大きいサイズの10号は189万円からとなっています。本殿と熊鷹社の中間あたりではあるこちらの大鳥居ですが、一区画の先頭という好立地なので額は相当高いと思われます。ついついお金の話をしちゃう関西人な私です。


千本鳥居を離れて神田にやってまいりました。


先日田植祭が行なわれました。

植えられた苗は10月の抜穂祭で収穫され、新嘗祭で神前に供えられます。東京にも神田という地名がありますが、そちらでは伊勢神宮に稲の初穂を納めていたそうです。


こちらは八島ケ池です。

私しかいませんでした。千本鳥居を歩き慣れた方は静かな神田ルートがオススメです。


こちらは十石橋になります。

朱塗りの素敵な橋でした。行きは千本鳥居を歩いて帰りはここを通るのも全然アリです。


こちらは八島ヶ池のほとりにある啼鳥菴ていちょうあん前の狛狐さんです。

啼鳥菴は2017年に新設された休憩所でテラス席が併設されています。旅をした時期は三月でしたので見頃になっていた可憐な梅が咲いていました。啼鳥菴には稲荷茶寮という日本茶カフェがあり甘いモノを頂くことが出来ます。景色の良いテラス席は満席になっていて多くの人で賑わっていました。


本殿エリアへ戻ってきました。

ゾッとする人の多さです。


伏見稲荷大社の定番ルートを歩きたい方は早朝出発をお勧めします。

伏見稲荷大社は二十四時間開かれていますので日の出とともに参拝することも可能です。ただし、社務所は午前9時あたりからになっていますので御朱印を受けられる方はご注意下さい。


立派な門構えのこちらは、伏見稲荷大社の御茶屋「下の松屋」表門になります。


伏見稲荷大社 松の下屋
ここは、かつて伏見稲荷大社の参道に建ち並んでいた社家のうち、松本家の宅地跡に当たる。明治維新後には民間所有となった。
1917年に料亭の開設を目指して建てられた「松の下屋」は、良質な材を用い、意匠・技術の両面において優れている。表門の東側には。江戸前期の「御茶屋(重要文化財)」が建つ。結果的に料亭は開設されず、1926年に伏見稲荷大社の敷地と統合された。
1919年建築の瑞芳軒は、1937年に社務所の庭から移築された上質な茶室である。「営繕関係一件綴」には、「茶席の配置と造庭ハ一切を挙げて茶道の巨匠に委嘱し(藪内紹智ヲ適当ト認ム)」とあり、十一代藪内透月斎の関与が推定される。
庭は、「表玄関の庭」「御茶屋の北・東庭」、瑞芳軒と供待を擁する「築山・露地」「松の下屋の西庭」「中庭」「園池・流れ」「土蔵廻りの庭」の七つからなる。数度の改修を経つつも、全体が一体となった奥行きのある複雑な構成となっている。
明治期以降の伏見稲荷大社と旧社家町の歴史、さらには近代の建築と庭の歴史を辿るうえで重要な意味を持つ。

京都市
駒札より引用

通常非公開の御茶屋になります。重要文化財です。


>伏見稲荷大社で見かけて以来ずっと気になってました。ヘンテコな名前ですが白く可憐な花を咲かせるのですね。

GWの散歩日記Ⅷ「ナンジャモンジャ」
|ヤマダナガオ_観光記 (note.com)より引用

そしてこちらが私の大好きな木、ナンジャモンジャです。

散歩日記のときに画像を公開しましたが、時系列的には伏見稲荷大社のこちらが先でした。


なんじゃもんじゃの木
学名:ひとつぱたご
モクセイ科の落葉高木
幹は高さ三十㍍、径は六十㌢㍍になるものがある。
葉は楕円形か卵型で鈍頭全緑であるが、若木のものには重鋸歯があり、下面の中脈下部には褐色の柔毛がある。
五~六月頃小枝に円錐状集散花序を頂生する。
花冠は白色で四辺に深く裂け裂片は筒部より長い。
二本の雄しべがある雄花と一個の雌しべがある雌花が異株にできる。果実は楕円形で黒く熟する。
日本では本州木曽川の流域と九州(対馬)に知られている珍しい木である。

駒札より引用

ナンジャモンジャの木は占いや神事に利用されていました。伏見稲荷大社の本殿近くに植えられているのはそのためだと思われます。


石碑です。

明治七年と宮司の名を確認することは出来ましたが詳細はわかりませんでした。


豊臣秀吉が建てたとされる楼門で今回の締めと致します。長い旅でしたが次で「春風の京都編」最終回になります。ぜひ観に来て下さい。



今回の参拝スポット

「熊鷹社から神田まで」
©️Googleマップ
「神田から御茶屋松の下屋まで」
©️Googleマップ


追記

note公式マガジンに記事が掲載されました。ありがとうございます。


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