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【hint.118】大事な節目となる一日の朝

 今日は、ある僕にとって身近な人の四十九日。

 故人の魂が、まさに今日、彼の世へと旅立っていくんですね。


 これまでも何度か、ちょっとずつ話題にはしているのだけれども、まだやっぱり、いろいろな面を考慮して、なかなかどういった方であるのかをはっきりとここに記すことはできないでいます。

 気持ち悪いかもしれませんが、どうぞご容赦いただけると幸いです。


 その人とは、近いようでとても遠く、そして濃いようで薄く、そんなふうに僕との関係性は育っていきました。

 しかし決して離れない。まるっきり離れることはない関係性でもありました。


 数年前、自分自身について、とことん向き合うタイミングが訪れましたが、その時にごく自然な流れで「あ、いま会っておく必要があるな」と、無理のない強さと勢いで、僕の中にそういった気持ちが芽生えたのでした。

 その瞬間においては、どこにいるのかも全く知らない、誰とどんな毎日を過ごしているのかも全然検討もつかない状態にありました。

 ただ、おそらく僕がどうすれば連絡がつく可能性があるのか、ということだけを、手応えとして握りしめていたのでした。


 数少ない可能性のなかで、本当にありがたいことに、その人と連絡がつきました。

 ある日の夜、気づくと留守番電話が一件はいっていました。

 その人からでした。

 もう何年になる? かつての声が記憶にないほど昔から一度も会っていない、そのことが幸いしました。

 喉を病で痛め、もはや以前のとおりのその人の声とはまるで違っているということだけはわかりました。

 まだまだ上京したばかりで心細かった僕は、身震いをし、途中でなんども切ったりしながらも、その残されていたメッセージを受け取った記憶があります。


 ・・・・・この人の話は、今日はここまでにしておきましょう。


 大事な節目となる一日の朝に、こうして納得のいくだけ向き合える時間が持てたことに感謝します。

 安らかな旅立ちとなりますように。

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