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【hint.334】自分が穏やかになれるものたち

明日は「分人」との最後の夜

いきなりではあるから、ちょっと難しいかもしれないけれど、引用をしてみたいと思う。

ちょっとした言葉遊びのような表現になっていて、頭がこんがらがるかもしれないが、何度か読み直しながらきっとその言わんとするところを、おそらく理解していただけるのではないだろうか。

 個人 individual は、他者との関係においては、分割可能 dividual である。逆説的に聞こえるかもしれないが、それが、論理学より発展した、この単語の意味である。
 そして、分人 dividual は、他者との関係においては、むしろ分割不可能 individual である。もっと強い言葉で言い換えよう。個人は、人間を個々に分断する単位であり、個人主義はその思想である。分人は、人間を個々に分断させない単位であり、分人主義はその思想である。それは、個人を人種や国籍といった、より大きな単位によって粗雑に統合するのとは逆に、単位を小さくすることによって、きめ細やかな繋がりを発見させる思想である。
平野 啓一郎 著『私とは何か ──「個人」から「分人」へ』/講談社現代新書 より)

「人」について考えるとき、その単位は「一人」とか「二人」とか「十人」とか、普通は「目に見える、一つの物体として存在している『人』(個人)」というものを基準にして考える。

ただ一方で、たとえばジグソーパズルの隣り合ったピース同士のつなぎ目が、一つの「絵」として成り立つように、そして、一つのピースがいくつもの「絵」を持っているように(ジグソーパズルだと四つしかないけれど)、

「目に見えない、意識(?)としての『人』」をみてみると、何人もの「個人」同士のつながりを見いだすことができるのもまた、実感として「あるある」なのではないだろうか。

この状況をひとことで表す言葉(概念)に、著者の平野さんは「分人」と名前をつけた。

「対人関係論」とか、他にもこのことを指すいろんな呼び名があるのだと思うが、この「分人」という言葉が、僕はとても好きなのです。

明日の夜は、この本を活用した読書会(らいキチカフェ)の最終回

参加していただける皆さんと共に、僕自身も存分に楽しみたいと思う。


気ままにnote散策

結果として、上の記事を書く助走をつけてもらった様々なnoteたち。

簡単ではありますが、ご紹介。

多機能ではなく単一機能という点でどちらかというと紙の本に近い側面もある。

こういう感覚はよくわかるし、けっこう好きな感覚です。
「DVD出てるのに、昔の映画を映画館でみる」みたいな
没頭感とでもいうのでしょうかね。
いや、Kindleでの読書の方がもっと手軽か。


とにかくかわいい。このブタ好き。


淡々と、シンプルな文章のリズムやテンポが気持ちいい。
サクッと爽やかな風が胸を吹き抜けていった気分になった。


KさんとSさんの、日頃の細やかなやりとりを
クスクスと読めて楽しかった。


今日のヒント

自分が穏やかになれるものたちに触れる習慣を大切にする

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