3つの質問で自己イメージからキャリアを考える方法
先日、仕事を選ぶときに考える3つの視点でキャリアアンカーについてまとめました。
中でも、自分を主観的に理解する自己イメージは『才能と能力』『動機と欲求』『態度と価値』3つの相互作用によって、決まるという話をしました。
今回は仕事を選ぶときの具体的な問いかけや考え方について説明して、より実践的な内容をお話しようと思います。
特に仕事を始める方、転職を意識している方には大事な話になるかと思います。
キャリアを考える方法
キャリアを考える基盤となるのは、自分を理解することに始まります。
心理学者のエドガー・シャインは自己イメージのチェックに以下の3つの問い掛けを行います。
自己イメージの捉え方
『何が得意か』
『何が本当にしたいことなのか』
『どうしてそれをやりたいのか』
1つ目は能力・才能についての自己イメージ、2つ目は動機・欲求についての自己イメージ、3つ目は意味・価値についての自己イメージです。
まず、自己イメージは主観的に評価する必要があります。
自分の中で得意と考えていること、やりたいこと、なぜそうしたいかを問いかける必要があります。自分に問いかけることで自分の自己イメージに気づいていく必要があります。
そして、自己イメージは誰かに評価されるものではありません。
友人や家族に『あなたは計算が得意ね』『人に優しくて正義感が強いから警察官になるのがいいんじゃないの』など、人のアドバイスを受けて自己イメージを作っていくことは良いことではありません。
他者はあなたの感情・意志・思いまで把握できていません。自分の本当の理解者は自分でしかないのです。
自分の気持ちや感情を内省しながら振り返っていきましょう。
全てが当てはまる自分のイメージを考える
自己イメージの質問が他者からの評価でなく、主観的なものだと分かったと思います。
では実際に考え方を見ていきましょう。
この3つの問いかけは最初の1つが当てはまるだけではいけません。
1つ目の質問である『何が得意か』
これは単純に普段から自分が得意としていることから考えていけば良いでしょう。
『英語が得意』『料理をするのが上手い』など
自分の長所と考えられることを考えていきます。
ですが、この得意な事を仕事に短絡的に考えてつなげてしまうのはおすすめできません。
自分の得意なことだけで自己イメージを固めてしまい、職業を選択すると大きなミスにつながることがあります。
コミュニケーションが得意だから接客業が好きだと思い仕事をしてみると、実は人の話を聞いて何かを解決していく過程が好きだという場合や
料理が得意だと思い料理人を目指してみたけど、実はたくさんのレパートリーを考えて見た目にこだわるような料理番組を裏で支える仕事の方があっていた、など
上手できるから仕事がやれる、という思考の考え方だけでは自分に合った仕事選びは難しいことがわかります。
そのためには2つ目の質問である『なにがほんとうにしたいことなのか』 この問いかけに素直に答えられるようになることです。
得意なことだけでなく、その先にある自分が楽しさを覚えることを考えていくのがヒントになるはずです。
そしてさらに自己イメージを固めるには3つ目の質問である『どうしてそれをやりたいのか』に答えることです。
これはとても難しい問いかけで、自分にもたらす意味や価値を考えていく必要があります。
その仕事を選んで、やっていることに意味をどう感じるか。社会にどう役に立っているか。必ず行き着くようになります。
自分が今やっている仕事が得意で楽しく続けられる。だけど、なぜか虚しく感じてしまう。
それは3つ目の質問に答えられていないからです。
そう思ったら、自分が今ついている仕事が自分にもたらす意味や価値を考えてみて下さい。
答えられなければその虚しさは消えません。
仕事をやっていることに意味や社会への役立ちを感じられないなら、また同じように虚しくなるし自問自答を繰り返すことになる。
仕事への価値、自分が大切にしているものは何か。
転機の時は特に考えてみて下さい。
まとめ
今回は自分のキャリアを考える方法として、自己イメージの考え方を紹介しました。
もし今から仕事を始める方や転職を考えている方は、長期的にみて自分にもたらす意味や価値を考え、自分のイメージを固めて仕事を選んでください。
自分の価値を捉えられないと、いくら得意で好きなことでも達成感を感じることが難しくなってきます。もっと言えば人生への価値を感じられないかもしれません。
ぜひ自分を見つめ直す時間を作るようにしてみて下さい。
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