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Rain before seven, fine before eleven

Rain before seven, fine before eleven.
「七時前の雨は、十一時までに晴れるだろう」

 拙作のタイトルにある「七時前の雨」の由来となるイギリスのことわざです。この言葉と初めて出会ったのは、おがわみわさんという、指環作家さんの作品でした。

 おがわさん(の作品)と出会ったのは、小説家という目標に近付けず、落ち込んでいる時でした。
 その、宇宙・月・星・猫……モチーフとなるものや、物語性に惹かれました。指環を「おまじない」とされている人柄にも心が動かされ、つい、弱音を伝えてしまったりしました。

 思えば迷惑な話ですが、おがわさんはいつも、暖かい言葉を返してくださって。すっかりファンになってしまった私の元には、おがわみわコレクションができてしまっています(笑)。

 そんな素敵な方ですので、本を出せたら絶対にお送りしよう、と決めていました。
 出会いから数年……ようやっと、本をお届けすることが叶いました。
 そのお礼、そして「感想」として贈ってくださったのが、こちらです。

 余計な言葉など必要のない、美しすぎる指環をいただいてしまいました。

 作中のとある一文がベースとなっています。そこに、月と太陽があしらわれているのですが、綺麗な青く光る石を透かして見ることができるという、とても手の込んだ作品です。
 リングには時刻を示す数字が打ち込まれ、七時前から降り出した雨が、十一時前に止む様子も表現されています。
 石を支える台座には、二人を示すように星が二つ。そして。
 rain before seven, fine before eleven.

 石はレインボームーンストーン (ホワイトラブラドライト)を選んでくださったそうです。
 少し傷の入っている石なのですが、その傷すらも二人には似合っていると思った、とのこと。私もそう思います。

 こうして形にしてくださるほどに、作品を読み、傷すらも感じ取ってくださったこと、感謝の言葉をいくら述べても足りません。
 せめて、こんな素敵な指環を作る方がいることを、多くの人に知ってもらうお手伝いができたら……と思います。