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TV局は韓国に学べ!日本のドラマ制作生態系も昭和からの脱却を。

 音楽もドラマも映画も快進撃を続けている韓国エンタメ業界ですが、また威勢のよいニュースが飛び込んできました。
 韓国財閥の一つCJグループで映画製作などを手掛けるCJ ENMの代表が「今年だけ8000億ウォン(約791億4131万円)の投資費用を計画しており、今後5年間かけて5兆ウォン(約4946億3322万円)規模以上のコンテンツ投資を実行する予定だ」と発表したそうです。
 コンテンツ制作に投資できるのは、グローバル市場から回収できる流れができているからです。
 韓国国内市場ではなくグローバル市場を意識して、他業界とも連携して、「チーム韓国」で打って出るというパターンが成功している訳ですね。

12話のドラマは海外で売りづらい

 さて、日本のドラマとの比較をしたいと思います。日本のドラマは、地上波のテレビで1クール(3ヶ月間)単位で作られるのが一般的です。ドラマ制作としてはWOWWOWやNHKなどの例外もありますが、主戦場は、地上波テレビで、無料で視聴者に見せて視聴率を競い合うというのが、ドラマの指標になっています。このことが日本のドラマの海外輸出を妨げていることに真剣に取り組むべきだと思います。僕が、その障壁を知ったのは、日本音楽制作者連盟の理事時代にある在京テレビ局の国際部の方との会話でした。もう15年以上前のことになります。12本×50分弱というボリュームだと海外市場で売りにくいのだと愚痴でした。なるほどー、確かにアメリカのドラマとか話数が長いよね、と思った記憶があります。毎週同じ曜日に決まった時間に観るという習慣も日本特有のものだとその時に知りました。まさに、協賛スポンサーオリエンテッドに日本のドラマ業界は発展していったのでしょう。その状態が放置されているのが残念すぎますね。
 時代は変わっています。NetflixやAmazon Videoでグローバルな「オンライン世界同時ヒット」がドラマでも可能な時代になりました。ドラマは食や住居や、人の生活が描かれますから、その国や民族性に興味を持つキッカケになします。外国人観光客誘致(インバウンド)にも大きな効果があるでしょう。最近、Netflixで『BOORGEN』というデンマーク初の女性首相が主人公という設定のドラマを偶然観たのですが、とても面白くて、それまでほとんどノーマークだったデンマークの文化やデンマーク語に興味を持ち、コペンハーゲンの景色を何度も観ているうちに行ってみたいな思うようになりました。映像作品の力って大きいですよね。今や韓国ドラマ、映画は韓国の国力を上げるための大きな財産になっていると思います。『愛の不時着』はNeflixで超人気でしたが、あのドラマにハマった人は、北朝鮮への印象が相当変わったでしょう。映画やドラマには国や民族の外からのイメージを変えるパワーもあることを実感しました。

視聴率だけを考えて作られる日本のテレビドラマ


 日本のドラマの海外での人気状況の仔細はチェックできてないのですが、日本に住んでいない人に観る機会をしっかりつくれてないことが多くて、本当に、もったいないと思います。『半沢直樹』とか、海外でも受けるだろうし、日本のサラリーマン社会の悲哀と日本人の矜持が伝わって良いと思うのですが、シリーズ2回とも、ベストセラー作家池井戸潤の長編小説を2作まとめてドラマ10話にしているというのは、原作IPの使い方としてもったいなすぎます。マジで国賊ものだなと思います。出版社もこういうドラマ化は許諾出してはいけないですね。ちゃんと世界中の人に観せて、マネタイズする仕組みに乗せていきたいです。
 最近だと、宮藤官九郎作の『俺の家の話』は、大事なドラマやアニメについては、必ずwarningをくれる友人のエンタメコンシェルジュ・ふくりゅう君から司令があって、観ましたが、素晴らしいし、是非海外の人に見せたいですね。『逃げ恥』もしっかりと海外での放映ができていれば、星野源が頑張って海外活動しようとしている時に、全然状況が違ったでしょう。
 意識の高い劇伴作曲家の林ゆうきは、3年くらい前に既に「ドラマの音楽やっても日本人しか観ないから僕にはメリット無いんですよね。アニメの音楽をやりたいです」と言っていて、素晴らしいなと思いました。ヒットクリエイターの意識がそんな風になると少しずつは変わっていくでしょう。

日本の文化力を活用して、グローバルに日本のブランドを上げながら、マネタイズする

 これをあらゆるエンタメビジネスの最優先テーマにするべきだと声を高らかに言いたいです!みなさん、それぞれの立場と持ち分担でやれることから始めましょうね。僕もできることから頑張ります!

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