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【参加作曲家大募集!】タイ✖️日本➡️アジア発デジタルヒットを〜バンコク・コーライティングキャンプやります

 日本の音楽界の最大の課題が、海外市場で日本の楽曲が売れること、日本の音楽家がグローバルな活躍をすることだというのは、多くの音楽関係者が合意できるテーマかと思います。


韓国の「選択と集中」に対して、日本の強みは「多様性」

 有効な方法はいくつかあると思います。K-Popとの比較で言えば、韓国は「選択と集中」で成功を収めています。ユースカルチャーの中心であるヒップホップ/ダンスミュージックをベースに、東アジア的(と言って良いと思いますが)な、アイドルグループというフォーマットを徹底的にやっています。ソウルに行くとわかるように、音楽シーンは日本同様に多様です。「渋谷系」と評するのが最適な楽曲が人気だったりします。(全体的に日本の影響からの発展系が多いようです)。それに対して日本の強みは「多様性と歴蓄積」です。
 韓国が政府が多額の予算を使って、K-popを売り出したのに対して、日本は何もせずに、外国人DJが「発見」してくれて、シティポップが人気になったことが象徴的です。
 多様性のある音楽シーンを伝えるには、丁寧なキュレーションが大切です。そのためになにが自分ができるか、いろんな方とお話をしています。行政にも理解はいただけているようなので、継続性を一定の規模感がある方法で取り組みたいと検討しています。

有力な選択肢は外国人とのコーライティング

 既に僕が取り組んでいるのは、日本人と外国人によるコーライティングです。欧米(と韓国)のプロ作曲家は、一人で作ることのほうが珍しいので、Co-をつけずに、「writing session」「writing camp」と呼びますが、海外市場をターゲットにして実績のある作曲家と一緒に作品を作ることが、日本人作曲家の海外進出としては、ベストな(そしてほとんど唯一の)方法です。
 LAに移住して頑張ってくれているヒロイズムのようなやり方はリスクが大きくて、誰にでもできることではありませんが、単発で海外のキャンプに参加することなら可能です。実際、Da-iCE 「CITRUS」でレコード大賞を受賞したKAZ KUWAMURAは、日本での採用が乏しい時から、自力で単身、海外キャンプに緒戦していました。
 そこのハードルを少し下げつつ、グローバルな音楽クリエイターネットワークを作っていこうというのが、海外でのコーライティングキャンプ企画です。

成果の上がった今年2月の台湾キャンプ

 今年の2月に行なった台湾キャンプは、日台10人ずつの第一線の作曲家が参加。4人1組で1日1曲(チームによっては2曲)、組合せを変えながら3日間行いました。クオリティの高い楽曲がたくさん生まれると同時に、国境を超えた作曲家同士の交流が未来につながるなと感じました。

 台湾でのリリースも3曲実現しています。YouTubeで1曲紹介しますね。

 今回のタイキャンプも同様に、経済産業省の予算で、VIPO「ビジネスマッチング事業」の一環として行われるキャンプです。

日タイユニット「SweetVacation」の経験値

 台湾の次にタイを選んだのには理由があります。一番は文化度が非常に高いこと。そして、経済成長もしていて、消費市場も伸びています。タイだけではなく、インドネシア、シンガポール、マレーシアなどASEAN市場の一部と捉えれば、超有望です。
 実は、タイに関しては、僕自身に15年前に挑戦した経験があります。日本的なセンスを核にしたアジアンポップスをテーマに、Sweet Vacation(通称:スイバケ)というタイ人と日本人のユニットをつくりました。タイで一番大きな音楽会社(日本で言うと、エイベックスとジャニーズを合わせたよう感じです)グラミーの新人開発部門に協力してもらって、バンコクでオーディションを行い、当時16歳のMayという美少女を選ぶということから始めました。当時の環境だと、まずは日本国内でヒット曲を出して、そのパワーでアジアに広めていくというやり方をせざるを得ず、グローバルな動きは、アーティストカラーの色付け、差別化には有効でしたが、国内ヒットに直接つながる方法論ではありませんでした。アジアの大都市の若者には共通するセンスがあると感じて、アジアヒットのチャンスはある、というか当時は「今がそのタイミングだ!」と思っていました。音楽業界の友人たちからよく指摘される「山口早過ぎ」問題ですね(苦笑)

インディーズミニアルバム「Do the Vacation!!」

 デビュー時から応援してもらったのは、MySpaceJapan、Yahoo!musicで、iTunes music storeの今週のシングルと言う無料リリースで初作品を出しました。mixiラジオなどを含めて、今は無くなった懐かしい初期の音楽サービスを全面的に活用しました。僕の最初の著書であるふくりゅう君との共著『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本(2011年・ダイヤモンド社)に経緯をまとめているので興味のある人は読んでみてください。

豊穣なバンコクのアーバン・カルチャー

 スイバケは、タイ語バージョンのリリースなども行い、タイでも活動しました。僕自身頻繁にバンコクを訪れて、現地のクラブにも通いました。アート、デザインなども含めてレベルが高く、奥行きのあるアーバン・カルチャーだなと思いました。バンコクは不良外人達のたまり場のような街でもあり、タイは南国の仏教国で一神教的な禁忌もなく、ゲイカルチャーも根付いているといった背景があるからなのでしょうね。
 芸能界の人たちともお付き合いしましたので、おそらく20年くらい前は、僕はタイのエンタメ業界に一番詳しい日本人だったと思います。スイバケ活動休止のプロセスでは、日本人メンバーの勘違いした理不尽な言動で、応援していただい方にご迷惑をお掛けする後味の悪いことになってしまいましたが、個人的なタイのカルチャーへの興味は続いていました。友人もできたので、プライベートでは定期的に訪れていました。
 そんな経験から、アジアのポップカルチャーの拠点として、バンコクというのは面白いという感覚があって、アジア・コーライティングキャンプの企画を考え始めた時から、タイの関係者には水面下で相談していました。
 今回は、MCT(タイ版JASRAC)との共催で、MCT理事の音楽家KOHさんも全面的に協力してくれる事になっているので、ソングライターのキャスティング、リリースするアーティストへのピッチングなどで面白い動きができるのではないかと期待しています。

海外キャンプに興味のある方は、お気軽にエントリーを!

 こんな背景で企画した、タイ・バンコクでのコーライティングキャンプです。興味を持った方はまずは、エントリーしてみてください。移動費用は自己負担ですが、会場となるバンコク市内のホテルに来てもらえれば、宿泊場所を提供し、参加費などはかからず、作品の著作権は作家側に100%持ち、運営サイドが権利を主張することはありません。ターゲットアーテイストの候補は、日本側は僕たちがまとめ、タイ側は、MCTがコーディネートしてくれます。
 2月19日夕方に現地集合、20日から3日間毎日組合せを変えてチームで作曲していきます。応募はどなたでも可能です。日本人作家の枠は10人で、応募多数の場合は選考をさせていただく形になるので、プロとしての実績、コミュニケーション能力、コーライティング経験などが基準での選考になりますが、少なくとも僕や伊藤涼、KAZ、CWFは継続的に取り組んでいくプロジェクトなので、エントリーしてもらって、情報に触れてもらいたいです。説明会や報告会もやりたいと考えています。海外キャンプのトンマナをしってもらって、リアリティを持つキッカケになればと思っています。

●詳細、応募はこちらから

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モチベーションあがります(^_-)