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【激募集】Artist without a labelという会社:レコード会社不要時代の音楽サービスをつくろう

 まずは、この投稿を読んでもらいたいです。野本晶さんは、iTunes Music Storeの日本立ち上げの後に、Spotify Japanの第一号スタッフという立場で、僕は「日本のデジタル音楽の伝道師」と呼んでいる人です。今は、Merlinという、3大メージャー以外のレーベルの配信事業者との条件交渉を行うエージェントを行う団体の日本代表を務めています。

 音楽ビジネスがCDから配信に、そしてアラカルト(1曲ごとの)ダウンロード型からストリーミング定額課金型に音楽ビジネス(正確な言い方をすると録音原盤ビジネス)の生態系の幹が変化する中で、従来のレコード会社の果たす役割は大きく変わっています。
 マスメディアの影響力が低下とも連動し、今はレコード会社じゃないとできないことは、ほとんどありません。新人アーティストにとっては、デジタル対応が十分にできてないインフラを持つレーベルに、契約金も受け取らずに、権利のほとんどを渡すという理不尽な契約を強いられることが多いでしょう。
 僕が冗談めかして言うのは「今やメジャーデビューの価値は親孝行だね。」田舎の親御さんが喜んでご近所さんと話せる以外になんの価値が残っているか微妙なところです。
 
 ただ、2019年までのデータで言うと、日本市場の70%がCDです。パッケージビシネスは、CDの製造、ショップへの流通など、いわばレコード会社がプラットフォームを担っているので、そこに乗っかることに合理性はありました。これからデジタル中心に市場が変わるところで、有効性が失われているわけです。同時に日本のレコード会社は海外市場へのノウハウは全くと言って良いほど持っていません。これから日本人アーティストが挑戦するべき海外市場にはパートナーが必要ですが、その答えは、デジタルマーケティング、具体的には、ユーザー行動解析とプレイリストプロモーションの二つです。これについては欧米が先行しているのでそこのノウハウを取り入れて海外でPRしつつ、日本の国内市場にカスタマイズすることが求められています。

 ここまで書いたところで、デジタル市場に特化して、従来のレーベルの役割を置き換えたサービスが必要だと言う話につながるのはご理解いただけたでしょうか?

 日本の音楽ビジネス生態系をUPDATEするためには、音楽を売るためのデジタルマーケティングに長けた会社が必要なのです。アーティストに対するファイナンス機能も大切ですが、原盤制作費が低廉化し、デジタルマーケティングもいわゆる媒体費的なコストはマストではなく、音楽を作って、広めるための初期コストは下がっています。アーティスト自身ではまかないきれない部分を前払い的にサポートできれば、新人アーテイストにとっては十分では無いでしょうか? 
 一方でデジタルがほとんどになった海外市場とこれからデジタル化する国内市場で音楽を聴かせて、マネタイズすることに特化した会社が足りません。デジタル化が遅れた分、日本の市場には伸びしろがあります。CD時代に7000億円あった音楽(録音原盤)市場は、デジタル化してどこまで挽回(もしくはより伸長)できるでしょうか?2019年は1100億円ですから、考え方次第で6000億円の伸びしろがある訳です。海外についても手つかずなので、伸びしろしかありません。

 音楽関連で起業したい人の事業アイデアを聞く機会が随分あります。START ME UP AWARDSというピッチ型のコンテストを始めたのは、2014年ですから6年経つのですが、僕が不満に思うのは、スケールの小さい話が多いことです。スタートアップの価値はイノベーションのはずなのに、重箱の隅をつつくような課題を見つけてきてそこを起点に事業立案してもスケーラビリティが見えません。おそらく僕も含めた既存の音楽関係者が、著作権処理や既存の権利者への向き合いの難しさを語ることで、結果、「お行儀の良さ」を強要して、風評として広まっているのかなと反省しています。他の領域のような「乱暴」な事業アイデアを聞くことがほとんど無い気がしています。
 日本の音楽業界は欧米と比べて6〜7年分、デジタル化が遅れてしまいました。韓国、中国、台湾といったアジア諸国もずっと先に行っています。コロナ禍で多くのレコード会社は2〜3割の売上減が見込まれます。この挽回はCDではなく、デジタルで取り組むべきでしょう。デジタルサービスを立ち上げ、広める好機が(世界標準で言うと遅すぎですが)やっと訪れているのです。

 StudioENTREとしては、こんな課題感と可能性を感じて、新規事業の可能性を検討しています。創業チームに加わりたいと思ったら、連絡下さい。おそらく日本ではベストと言える座組を作る自信が僕にはあります。ただ、事業を成功させ、グロースさせるのは座組ではなく、若い経営者達の熱量です。日本の音楽の火を消さないために、一緒にやりたい人はいませんか?

 さて、ここまで読んでくれたアーティストやマネージャーには、別のメッセージをお伝えしておきます。2018年にこんな事書いています。

 野心的な音楽家とマネージャーは、3大グローバルメジャーも視野に入れながら、TuneCore的なDIYスタイルと、Merlinがサポートするインディペンデントレーベルと、3つのレイヤーを数年単位で波乗りのように渡っていくのが、今の時代のイケてる音楽家の姿です。(本稿で書いたのは、そういう音楽家をサポートするサービスを創りたいという話でした。)


モチベーションあがります(^_-)