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福岡文化人類学〜第1回『日本酒文化と焼酎文化』

「しょっぱぃっっっ!!!!」
東京に来た福岡人が酒場で受ける洗礼が味の違い。特に塩気の多さに目をまん丸させた経験は誰しもにあるだろう。
(反対に関東の人が福岡の料理食べたときとかどんなんでしょう?「(ムダに)濃いぃぃいい!」とか?分からん...!!)

そこで抑えたいのが「日本酒文化と焼酎文化」だ。
「日本酒は食べ物と一緒に口の中で混ぜるもの。焼酎は口の中をカラッとリセットさせるもの」
事実、僕はこの言葉に救われた。This is マジ金言。これを意識するだけでその地域の食事への解像度は3段飛ばしくらいに上がる。それくらい日本の食文化はザックリこのどちらかに分けられると思っている。
(そして気付いた。日本酒+いぶりがっこ最高!)

でもなんで?僕はそこの背景に文化人類学を感じている。

まずは日本酒文化。これは東日本〜北日本に多いが、そこには保存食文化があると考察している。寒冷で冬場は作物が作れず、また漁業が盛んで干物をよく作る土地の背景から、この地方の食材は保存用に塩が良く使われているのだ。(=しょっぱい料理が多い)
これを例えば、
・日本酒→米
・保存食→イカの塩辛
に置き換えて考えてみると分かりやすいと思うが、これらは単体というより互いの味を重ね合わせながら美味しさを完成させる作りになっている。

対して焼酎文化の九州・福岡。
ここの食事は濃い。食材の性質や県民性からか味の濃い料理が郷土料理に名を連ねる。ここでは日本酒文化みたいに「味を重ねる」のは結構キツい。
甘い醤油で食べる刺し身や脂っこいモツ鍋みたいなハードパンチャーの連打をまともに受けてしまえば口の中がエライことになってしまうだろう。
だからここは焼酎の出番。キリッと辛口な焼酎は、ヘビーな味のパンチを浴びた後の口の中をカラッとリセットさせてくれる。福岡で旨味のラッシュをラウンド2,3,4...と受け続けたければ、是非ともパートナーには焼酎を選んでみてほしい。

最後に、焼酎はきつそう...という方へ。
炭酸割りを注文してみよう。ハイボールみたく気軽に楽しめるはずだ。
(この割り方、密かに広がっている感があるような無いような)

このコラムは「企画でメシを食っていく」4期生の合同コラム企画「コラム街」の1つとして書かれています。他のみんなのリンクはこちら。↓
https://note.mu/bookandmusic/n/n918043f2d2f2


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