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大切な人を亡くす経験をするということ

Who is 先輩

入社した時にやたらとテンションが高い先輩がいた。
周りから「姫」と呼ばれていて、確かにキラキラしていて明るすぎるので、自然と人が寄ってくる。みたいな人だった。

ある日、そんな先輩と話をしていたら、
突然「私、病気が大変じゃん?」とサラッと。
えーーーーーーー!?!?!知らなかったーーーー!!!!
「えーー?知らないのやまのうちちゃんだけじゃないのーー?嫌だーww」
という明るい対応。
(あとでマジで同期に聞いたら知らないの私だけだった、教えてよ…)
よくよく聞くと先輩は癌を患って、闘病しながら仕事をしていた。
余命も先生に言われている話だと過ぎていて、抗がん剤治療や、
あらゆる治療を受けながら仕事をしているのだとか。

いやいや、マッチョすぎるだろ…(体は小さいのに)
心が、精神が、まじでマッチョだ…(多分マッチョだなと本人に言ったら超嫌がる)

止まらない名言、心の筋トレ

その先輩と一緒に仕事をする機会も多かった。
なので、そんな先輩の色んなチャレンジの話を聞く機会が多かった。

・家族で富士山に登るの!
(医者には止められたけど絶対にやると言って、ほんとに登っていた)
・自分で外部PJたてて、困ってる人助けるの!(マジでやってた)
・カメラの腕を磨いて、色んな人の人生をカメラマンとして撮るの!
・新しい抗がん剤にチャレンジするの!
・大学で授業を頼まれたからやるの!
…などなど

一緒にいた期間、ずっと先輩は走り続けていた。
しかも、自分の持っているスキル、情熱、全てを他人のために使っていた。
なんでそんなことが出来るんだろう…と私が考える間もなく、次々とチャレンジしていく。息をするようにチャレンジしていく。

チャレンジと一緒に、息を吐くように名言を当たり前に言っていく。
チャレンジで息を吸って、息を吐くときに名言を吐く。
本人は全く自覚がないと思う。
「クヨクヨよりワクワク」
「時間がないんだから、なんでもやってみる」
「前向きでいた方が色々お得じゃない~」

などなど、思い出すと書ききれる気がしない。
先輩の状況も、本気で動いている姿も知っているから全ての言葉に説得力がある。先輩が言うから名言だったんだなぁ。

そんな感じなので、一緒にいるととっても心が強くなっていく。
マッチョにならないといけない、と心から思えてくる。
先輩は心のジムだった。
思い返してみれば、先輩はいつも笑顔で、機嫌が悪い時がない。
自分の状況で涙したり、不安そうなときはあったけど、それもなかなか他人には見せない。
むしろ人を励ましたりするのだ。
「やまのうちちゃんは笑顔が一番!そう!かわいい~~~♡」
「何言ってんの!出来る出来る!」と。
心のジムリーダーで、励ましのプロでもあった。
先輩の状況や気持ちを考えたり、自分に置き換えてみたりするほど、
マジですごいな、マジでリスペクトだな。と思う。

そんな先輩が去年、旅立ちました

先輩は体調が悪くなったのか、お仕事を休むようになった。
私のラインにも既読はつくけど、返事がない。。。

お別れはちょっと覚悟もあったけど、やっぱり唐突だった。
実感が無くて、訃報を知っても、葬儀でも泣くことが出来なかった。
私も先輩も葬儀社で働いていたので、葬儀は弊社でやることになった。
沢山の人がきて、メッセージを送った。
沢山の笑顔や想いがある素敵な葬儀だった。
葬儀については以下のレポを読んでみてほしい。

結局先輩がくれたものは何だったのか

右がその先輩。

自分の人生でもう一度先輩みたいな人に出会えるかな。
思うとなかなか難しい気がする。
亡くなっても、存在は無くならないし、
辛い時、悲しい時は今までよりもなんなら近く感じる。
「やまのうちちゃん!笑顔!」と聞こえる気がするときもある。

とにかく沢山の大切をくれた。
「言葉」「気持ち」「経験」「思い出」「姿勢」…
モノもたまにもらったけど、それ以上に大切なコトをくれた。
だから、先輩の存在は大切だし、ずっと大好き。

先輩に出会えたことが本当に嬉しい、尊いことなんだな。
と、先輩が亡くなって一年経った今日、思うことなのでした。

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