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フリーレンの登場人物たちの名前の意味

かく言う私もそのひとりですが、日テレのアニメ『葬送のフリーレン』が終わってしまって、フリーレン・ロスに呆然としている御仁も少なからずおられるのではないかと推察します。

ある人の note で、フリーレンという名はドイツ語の frieren という動詞(英語の freeze に当たる;「凍らせる」の意)から来ているという話を読みました。

そう言われると、他のキャラクター名もドイツ語っぽい響きを持っていますよね。ひょっとしたら全員かもしれません。

幸いにして私の大学時代の第二外国語は(2年連続「優・良・可」の「可」だったとは言え)ドイツ語でした。ドイツ語の辞書はまだ捨てずに持っています。そして、ありがたいことにドイツ語の場合は発音から綴りを推定するのが容易です。

ならば、ということで、そんなことはもうとっくの昔に誰かがやってしまっているだろうことは百も承知の上で、メインの登場人物の名前を調べてみました:

【勇者ヒンメル一行】
フリーレン frieren:寒がらせる、凍えさせる
ヒンメル Himmel:空、青空、天
ハイター heiter:明るい、澄んだ
アイゼン Eisen:鉄

【フリーレン一行】
フリーレン(前掲)
フェルン fern:遠い、遠く離れた
シュタルク stark:強い、力強い
ザイン Sein:存在、実在

【フリーレンの師匠筋】
ゼーリエ Serie:連続、系列、シリーズ
フランメ Flamme:炎、火炎

【大陸魔法協会】
ゼーリエ(前掲)
ゼンゼ Sense:大鎌
ゲナウ genau:正確な、精密な
レルネン lernen:学ぶ、覚える

【一級魔法使い試験受験者】
デンケン denken:思う、考える、思惟する
ラヴィーネ Lawine:なだれ
カンネ Kanne:液体容器
ヴィアベル Wirbel:うずまき、回転
ユーベル Jubel:歓呼、歓喜
ラント Land:陸、陸地
リヒター Lichter:艀(はしけ)
エーレ Ehre:名誉、栄誉
シャルフ scharf:鋭い、鋭利な
エーデル edel:貴族の、高貴な
メトーデ Methode:方法、方式

【魔族】
アウラ Aura:オーラ
リュグナー Lügner:嘘つき、詐欺師
リーニエ Linie:線、直線
ドラート Draht:針金、電線

ちょっと気になったのは、人の名前であるにも関わらず、作者はドイツ語の名詞のみならず動詞や形容詞なども自由に使っているということです(ちなみに、ドイツ語の名詞は大文字で始まります)。ドイツ人はこれを見てどう感じるんでしょう?

でも、まあ、日本語でも人名にはウメとかハナとかの名詞だけじゃなく、ヒロシとかツヨシとかの形容詞や、マモルとかマナブとかの動詞などもあるので(今ここで挙げた例は近年あまり目にしなくなった名前ではありますがw)、同じような感覚で命名したんでしょうかね?

あ、そうか、そういう意味ではシュタルクはツヨシくんで、レルネンはマナブくんだったわけですね。

そんな風に考えると、全員に日本名を宛ててみるのも面白いかもしれません。フリーレンは凍子、ハイターは明、アイゼンは鉄ちゃん、…って、イメージ壊れすぎ(笑)

しかし、こうやって並べてみると、ものすごく直截なもの(例えばカンネ)、なんとなく分かる気がするもの(例えばデンケン)、なんで?と思うもの(例えばゼーリエ)と、いろいろで面白いですね。知人は「ユーベル = 歓呼なのは若干怖いものがある」と言っていました。

それにしてもフリーレンはなんで frieren なのでしょう? ま、いずれにしても何十年ぶりかでドイツ語の復習をしました(笑)

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