見出し画像

自分で選んだものを読みたい/観たいという欲求

僕は自分の PC のブラウザで note のページをブックマークしていますが、https://note.com/ ではなく https://note.com/following に、つまり、デフォルトで設定されている「すべて」ではなく「フォロー中」のページに変えています。

それは「すべて」でオススメされる記事に的外れなものがとても多いからです。

一体どこまで浅薄な分析をしたら僕にこの記事をオススメするのが適当だという判断になるのか不思議でなりません。

一方、Netflix のレコメンド機能についても同じような印象を持っています。「あなたはあれを観てそれも観たから、きっとこれも気に入るだろう」という穴らだけの推論で、僕という人物をどこまで取り違えてくれるんだろうかと驚いてしまいます。

ひょっとしたらそんな風に感じるのは偏屈な僕ぐらいのもので、他の皆さんにとってはそんなオススメがとても適切で、重宝しておられるのかもしれません。もしそうならそれはそれで良いのです。

むしろ、僕が言いたいのはオススメが的外れかどうかということよりも、「オススメを表示するかどうかを僕に決めさせてくれ」ということなのです。僕にとって不適切なものであれば表示する必要はありませんから。

僕は twitter でも「フォロー中」をデフォルトにしています(時々勝手に「おすすめ」に変わっていてカチンッ!と来るのですが)。アプリ版の note では一旦「フォロー中」にするとその後もその設定を引き継いでくれるのに、Web版の note はどうして「すべて」がデフォルトで、「フォロー中」が別URL になっているのでしょうか?

ネット上で自分の好きなものばかりを選んで見ていると、フィルターバブルやエコーチェンバー現象を起こしてしまうので、ある程度オススメ的なものを受け入れたほうが良いとか、自分で選ぶことに疲れてしまったユーザが近頃は一般的な配信ではなく、テレビのように決められた時間に決められた番組が編成されて流れる(従って受動的に観られる) FAST を好み始めたとか、いろんなことが言われています。

でも、twitter にはそもそもリツイート機能があってフォロー外のつぶやきも表示されるので、それがフィルターバブル防止機能になっているのは確かだし、僕はフォローしてから後になって「あ、こいつは結構嫌なやつだ」とか「この人の考え方は自分とは相容れない」と思った人も意図的に何人か残しているので、それがエコーチェンバーを防ぐ手立てになっているのも確かで、そんなに心配はしていません。

配信との比較においてテレビについても述べておくと、僕は小さい頃から必ずしも受動的な見方はしてきませんでした。

小学生のころから、朝起きたら新聞のテレビ欄を入念にチェックして、テレビ欄の下にある番組紹介記事もいくつか読んで、今日は何を見るかをしっかりと取捨選択していました。テレビは決して受動的にダラーっと見るものではありませんでした(そしてそれは今もそうです)。

そんな中で、最初は出演者にしか目が行っていなかったのですが、ある日、スタッフロールを見ていて「プロデューサー」なる人物がいることに気づいたのです。そして、プロデューサーが具体的に何をする人なのかは知らないけれど、この人がプロデューサーをやっている番組は全部面白いな、と。

僕が番組作りに興味を持ち始めて、何年か後に放送局に入社したのもそれが発端でした。それは自分でいろんなことを判断しながらテレビを観ていた結果だと思っています。

ことほどさように、僕が何を読むか、何を観るかについては、運営側が一方的にデフォルトを設定するのではなく、オススメに従って見ろと言うのでもなく、ユーザに全てを決めさせてほしいのです。「いろいろ勧めてくれなくて良い。それは俺に決めさせろ!」という思いが強いのです。

Netflix について考えてみると、『ストレンジャー・シングズ』や『ザ・クラウン』、『ウェンズデー』、『舞妓さんちのまかないさん』など、ヒット作も何作かは観ているものの、『ハウス・オブ・カード』も『梨泰院クラス』も『イカゲーム』も『今際の国のアリス』も『サンクチュアリ』も観ていません。

僕の選び方は、「大評判になっている」とか「人気が出ている」とか、あるいは Netflix にレコメンドされたとか、そんなことは全く気に留めずに、自分で予告編を観て、説明文を読み、時にはネット上で少し情報を漁るなどしながら、一つひとつ観るかどうかを決めて行くというものです。

別に人気作を忌避しているわけではなく、中には「見ようかな」というものもいくつかあるのですが、他の作品と比較すると結果的になかなか優先順位の上位に来ないことが多いだけなのです。

でも、そんな風にして、自分の勘と見立てだけで選んだものの中に、びっくりするほど素晴らしい作品に出会うことがあるのです。特に『クイーンズ・ギャンビット』、『令嬢アンナの真実』、『メイドの手帖』の3作は仰天の出来で、めちゃくちゃに面白くて、深い深い余韻がありました。

これらの作品もひょっとしたら配信開始時には大きな話題作だったのかもしれませんが、僕は Netflix加入が遅かったので、その当時のことは知らないまま、ただドラマの内容だけで選んだのです。そしたら、これが僕的には大当たりだったのです。

単純にヒットしたり評判になっている作品を追いかけるのではなく、こんな風に自分で探りながら選んで観るのが本当に楽しいし、その作品が期待通りに素晴らしかったときは飛び上がるほど嬉しいのです。これこそはドラマ視聴の真骨頂だと思います。

note の記事を読むときにも同じことを感じます。

お願いですから「すべて」と「フォロー中」のどちらを自分のデフォルトにするか(つまり、左上の note のロゴをクリックしたときにどちらが表示されるか)を PC上でも選べる形に変更してもらえませんかね。別々の URL で実現するのではなく、同じ URL 上でユーザがカスタマイズできる形に。

この記事を読んでサポートしてあげても良いなと思ってくださった奇特な皆さん。ありがとうございます。銭が取れるような文章でもないのでお気持ちだけで結構です。♡ やシェアをしていただけるだけで充分です。なお、非会員の方でも ♡ は押せますので、よろしくお願いします(笑)