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会社の facebookグループの行方とそれに代わるもの
会社で facebook のプライベート・グループを運営しています。facebook をやっていない方は「プライベート」の意味が分からないかもしれませんが、メンバー以外には公開されていないという意味で、ここではメンバー=社員です。
これはそもそも社内で所属や年齢や役職やキャリアを超えたところで自由な議論をしようという思惑で作ったものでした。
ところが残念なことに、facebook にはあまり若手社員が寄り付きません。上司と繋がってしまうことを嫌うのも分からないでもないですが、それ以外にも facebook の仕様自体に魅力を感じないのかもしれません。
僕としてはサラリーマン生活も残り少なく、今からもうできることはほとんどないのですが、せっかく作ったのにこのままでは姥捨て山・爺捨て山になりかねないのがちょっと悲しい気がします。
でも、姥捨て山・爺捨て山になってしまったのであれば、もうこれは棄てて閉じてしまうのも一案であるのかもしれません。コミュニケーション・ツールとして他のものを探したほうが効率が良いのであれば、それはそれで良いでしょう。
で、そんなことを他の管理人たちに向けて書いたら、パラパラと返事が来たのですが、その多くは「自分は最近ではあまり facebook に書かない(あるいは見てもいない)が、そこからそれなりに情報を得ている人もいるので、そのまま放置で良いのではないか」というものでした。
ま、みんながそう言うならそれで良いですが、自分の意識との落差にちょっと驚きました。
僕が facebook の威力を目の当たりにしたのは東日本大震災のときでした。あ、そのエピソードを書く前に言っておくと、僕は大阪のテレビ局に勤めています。
あの大地震が起きてすぐに、できたばかりの facebookグループに投稿が相次ぎ、仕事がものすごい勢いで進んだのです。例えばこんな具合に:
「おい、こんなときにウチのトップページはこんなおちゃらけたものでええんか?」
「とりあえず、報道局のニュース・ページをトップに持ってきて入れ替えよう」
「今すぐ書き換えます」・・・「できました。アップします」
「マスター(主調整室=物理的に電波を送り出しているセクション)の○○です。キー局から連絡来ました。○時から特番やります」
「その情報をすぐにトップページに載せるので、詳細くれ」
「おい、キー局はトップページでニュース動画流し始めたぞ」
「それウチでも流せんのか?」
「キー局と話ししてみます」・・・「キー局のOK 出ました」
「トップページに動画プレイヤを嵌め込みます」・・・「できました。アップします」
みたいな会話/議論が facebook上だけで行われ、会議もなく上司への相談も報告もなく、ものすごくスピーディに効率よく、そこだけで完結するのを見て、これからの時代の社内コミュニケーションはまさにこういう形であるべきだと思ったのをよく憶えています。
このとき僕はインターネット・モバイル部(だったかな?)の部長かその上のチーフマネージャーだったので、自分の役割は
①ただウォッチすること
②明らかに脱線しそうになったらアドバイスすること
③何かマズイことになったら代表して叱られること
だと思っていました。
その時のことを思い出すと、「情報を得ている人がいるからそれで良い」と言う今の社員たちに対しては、
そうか、君らはひょっとして情報を得るだけで良いのか
この場で議論しようとは思ってないのか
という気持ちです。これは必ずしも非難しているのではありません。驚いているのは確かですが、その驚きは、
世の中が移り変わり、仕事のやり方や人との接し方も変わってきたんだ
という驚きです。
でも、では彼らは一体どこで議論するのでしょう? 会社のセクションの垣根を超えた議論は一体どこでするのでしょう?
前に note に「そうか、君らはもう戦わないんやね」という記事を書きました。
それは落胆のようでもあり、実は驚きのほうが大きい気づきでした。そして、今回はまた
そうか、ひょっとしたら君等はもう議論しないんやね
と思いました。それもまた落胆と言うよりも、どんよりとした驚きに包まれた気づきでした。
もうすぐ私もこの facebookグループのメンバーから抜ける日が来ます。その後、このグループがどうなるのかは分かりません。ただ、気になるのは facebookグループの行方よりも、仕事のやり方の行方です。
facebook グループがどうなっても、どこかで何等かの形で自由な議論の場ができれば良いなあと、我々の世代は思うのでした。
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