マガジンのカバー画像

放送とインターネット

58
放送局に勤めていたので、たまに放送のことも書いていました。ま、内輪向きの文章が多いので、ここにはたまにしか載せませんでしたが。いずれにしても定年退職しちゃったので、今後はこのテー…
運営しているクリエイター

#ドラマ

「視聴者には分からない」時代ではない

TBS『アトムの童』が残り1回の放送というところまで来て、いよいよ盛り上がってきました。けれども僕はここまで毎週この番組を見てきて非常に大きな危機感を覚えています。 ゲーム開発、インターネット、経済関係の法律、株主総会の進行、検察や警察の動きなどなど、素人目で見ても「それはないやろ」と思うことが多すぎませんか? いや、設定が甘い、あるいは不正確なドラマはこれまでもありましたし今現在もあります。調べずにうっかり書いてしまったのではなく、意図した設定の場合もあります。SF的な

作り込んだ番組とライブ感溢れる番組の相克についてのわりとつまらない考察

僕の志望動機僕がテレビ局に就職したのはドラマを作りたかったからだ(結局ドラマはおろか、いかなる番組も作らせてくれなかったけれど)。 僕は昔からドラマが好きで、ドラマのようなしっかり作り込んだ番組を好んでいた。つまり、しっかりとした台本(所謂「構成台本」などではなく)があって、みっちりとしたリハーサルの末に収録され、すっきりと編集されたコンテンツである。 例えばドラマ、お笑いであればコント、そしてスタジオにセットを組んだ音楽番組などなど。 ある意味その対極にあるのが今テレ

ドラマやアニメで、台詞で全てを伝えようとすることの功罪について

たまたま読んだ『映画やドラマを観て「わかんなかった」という感想が増えた理由』という記事に強い衝撃を覚えました: ドラマやアニメを早回しで見たり、台詞のない場面を飛ばして見たりする人がいるということもさることながら、一番驚いたのは作り手の側もそちらに歩み寄ってきて、台詞で全てを説明する作品が増えてきているということです。 そして、台詞で親切に全てを教えてくれる作品でないと、「分からなかった」=「つまらない」という評価を下されるとは、もはや言語道断、このままでは日本のコンテン