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仕事のモットー──僕はこんなことを考えながら働いてきました

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今の若い人に通用するかどうかは知りませんが、僕はいろいろ仕事を重ねて行くうちに、こんなことやあんなことに思い至りました、という感じの寄せ集めです。
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#コミュニケーション

僕がサラリーマン最後の日に語ったこと

2022年6月30日を以て株式会社毎日放送(MBS)を雇い止めになりました。 たまたまその日が定例の会議の日で、その席で挨拶めいたものを求められ、少し喋りました。以下はその時の内容を思い出しながら、少し添削、加筆修正したものです。 When I'm sixty-four最近頭の中でずっと鳴っている音楽があります(こういうのを英語では earworm = 耳の中に虫がいる、と言ったりするようです)。 それは The Beatles の When I'm Sixty-fou

あほの坂田さんへ

僕は昔、部下に対して、「網羅的に語るな 象徴的に語れ」みたいなことをよく言っていた。同じタイトルで note にも記事を書いた。 そこにも書いたように、 というのは論理的には非常に正しい証明なのだけれど、もしそれをみんなに納得させたいのであれば、そう言うよりもひと言 と言ったほうが良い、と言うか、「AさんもBさんも…」と言い始めた時点でみんなきっと嫌気が差して聞いてくれないだろうから、「あほの坂田が」と言ったほうがよほどキャッチーで手っ取り早いのだ。 しかし、その坂田

今それをやる意味

部下に何かを命じたときに、その部下から「今それをやる意味は何ですか?」と問い返されたら、あなたならどうしますか? ◇ 何年か前にネット上で、「『いいからやれ!』は通用しない」との記事を読みました。 その記事が何であったか、どこにあるのかはもう分からないのですが、僕が自分の言葉でまとめると、こんな感じの記事でした: 僕らの世代は、これは大変よく分かります。僕自身もついつい「あー、ほんとに、今の若い奴は面倒くせー!」とうんざりする上司の側に肩入れしてしまったのですが、しか

ハンコのコミュニケーション? ~お辞儀印と逆さま印~

僕は最近まで全く知らなかったのですが、「お辞儀印」などという風習があるんですってね。お辞儀しているように傾けてハンコを押すやつ。 ご存じない方のためにもうちょっと詳しく説明すると、伝票とか決済書とか稟議書なんかには何人かの人がハンコを押すことになりますが、大体は並んでいるハンコ欄の一番右がペーペーで左に行くほど偉くなります。 で、右の人は左の上司に向かってお辞儀をするように、ハンコをまっすぐではなく左に傾けて押すのだそうです。 それだけならまだしも、一番右側の人が一番大

会社の facebookグループの行方とそれに代わるもの

会社で facebook のプライベート・グループを運営しています。facebook をやっていない方は「プライベート」の意味が分からないかもしれませんが、メンバー以外には公開されていないという意味で、ここではメンバー=社員です。 これはそもそも社内で所属や年齢や役職やキャリアを超えたところで自由な議論をしようという思惑で作ったものでした。 ところが残念なことに、facebook にはあまり若手社員が寄り付きません。上司と繋がってしまうことを嫌うのも分からないでもないです

そういうメールってアリ、ですよね?

最近ウチの会社にも途中入社の人が増えているのですが、そういう人たちから社内メールをもらって、ときどきびっくりすることがあります。メールの書き方が、なんか根本的に違うのです。ああ、これがきっと企業文化というものなのだろうなと思います。 例えばある人に私がメールを送ると、「拝読いたしました」「とりあえず御礼でございました」などという返事が来たりするのですが、これって皆さんの会社でもそうですか? 「です・ます」調どころか、「ございます」調ですよ! 初めて見たときは、社内の同僚に

網羅的に語るな 象徴的に語れ

私は会社の若手に対してよく「網羅的に書くな。象徴的に書け」と言います。書くときだけではなく、語るときも同じです。 前にも書きましたが、例えば、何かのセミナーを聴いてきた時に、そこで講師が喋っていたことを全部報告する必要なんかないのです。 私の上司にもかつて「俺に全てを報告しろ」と言っていた人がいました。しかし、全てとは何か?と考えると、全てを報告するなんて無理に決まっていると気がつくはずです。 網羅の方向に行こうとすると無理が生ずるのです。 無理が生ずるだけではありま