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仕事のモットー──僕はこんなことを考えながら働いてきました

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今の若い人に通用するかどうかは知りませんが、僕はいろいろ仕事を重ねて行くうちに、こんなことやあんなことに思い至りました、という感じの寄せ集めです。
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2019年12月の記事一覧

網羅的に語るな 象徴的に語れ

私は会社の若手に対してよく「網羅的に書くな。象徴的に書け」と言います。書くときだけではなく、語るときも同じです。 前にも書きましたが、例えば、何かのセミナーを聴いてきた時に、そこで講師が喋っていたことを全部報告する必要なんかないのです。 私の上司にもかつて「俺に全てを報告しろ」と言っていた人がいました。しかし、全てとは何か?と考えると、全てを報告するなんて無理に決まっていると気がつくはずです。 網羅の方向に行こうとすると無理が生ずるのです。 無理が生ずるだけではありま

リポートで終わらない

セミナー等に参加すると「帰ってきたらリポートを出せ」と言う上司がいます。僕が若い頃は大概がそんな上司でした。「会社に行かせてもらったんだからリポートぐらい書け」と。 つまり、リポートは懲役刑の強制労働みたいなものです。さぞかし良い報告書が書けることでしょう。 自分が上司の立場になった時に、僕はそんなつまらないものを求めるのはやめようと思いました。 そもそも自分が出席していない講演会やパネル・ディスカッションのプレゼン資料やまとめ資料を読まされたってちっとも実感が湧かない

敬語の稽古

若い人たちが敬語を使えなくなった──これは事実でしょう。 ただ、それはここ最近の傾向ではなく、多分ここ何十年も言われていることです。 一方で、若者たちの側でも、やはり会話によって人間関係を円滑に保って行きたいという思いがあるのは確かであって、それが彼ら独特の、物事を曖昧に表現したり断定を避けたりする言い回しに繋がっているのです。 若者独特の表現ついては多くの人が指摘しているので、ここではあまり詳しく書く気はありませんが、例えばむやみに「とか」をつけたり(最近では「だった