【短編小説】 ローリング・トライアングル
「note の #2000字のドラマ という企画に応募するので手伝ってくれ」と杉作に言われた。杉作というのは本名ではない。杉崎健作、略して杉作だ。
「なんで俺が手伝うの?」と訊くと、「いいじゃないか、幼馴染じゃないか」などといつも通り理屈になってない。いつもの思いつきなんだろうが、まあ、俺のほうも別にそれで構わない。
「そうだ、突然思いついた。鞠香も誘おう!」と杉作は右手で眼鏡のツルを持ち上げる(こいつのクセだ)。「だって、文学部じゃないか」と。そして「そうだ、思いついた