n=1粒度でユーザーを定性的に捉える
1. ごあいさつ
「cowcamo(カウカモ)」という、中古リノベーションマンションの仲介サービスを運営しております、株式会社ツクルバの山口です。
前職はSepteni Japanという広告代理店でデジタル広告のコンサルタントを経験して、2018年にツクルバにジョインしました。
2. テーマ
今回のテーマは「n=1粒度でユーザーを定性的に捉える」ことの重要性についてです。
弊社では、定量的に把握できるユーザーのLTVだけではなく、定性的なヒアリングを常に掛け合わせていくことで、施策の解像度を高めていく取り組みを行っています。
n=1 の粒度で定量的情報と定性的情報を掛け合わせていくことで、ユーザーさんの姿がクリアになり、PDCAをクイックに正確に回していくことができます(詳細は後述します)。
特に自分のリードしているプロジェクトで学びがあったので、備忘録の意味合いも込めて整理します。
3. カウカモのサービス紹介
イントロとして、弊社サービスの紹介をさせてください。
cowcamo(カウカモ)というサービスで、東京を中心に中古リノベーションマンションの物件を扱う不動産サービスを展開しています。
Web / Appでは中古リノベーションマンションを現地まで取材に行き、記事として掲載しております。
大手の不動産ポータルサイトは、物件掲載数はとても多いのですが、情報が十分でないことがあります。
写真の掲載数が十分ではない ⇒ キッチンや水回りの様子がオンライン上ではわからない。。
間取りや駅徒歩分数などスペック的な情報しかない ⇒ その家に住んだときにどんな暮らしができるかイメージできない。。
内見に行ったらイメージしていた雰囲気と違った、とかあるあるですよね。
カウカモでは現地に取材に行き写真を撮影しています。
写真のクオリティはもちろんのこと写真点数も豊富に用意しているので、部屋の様子をディテールまでオンラインで確認することができます。
また、記事内では周辺環境や、街の雰囲気、マンションの管理状態までコメントしているので、どんな暮らしができるかイメージがしやすくなっています。
内見や個別相談会へお問い合わせいただくと、カウカモの不動産エージェントがお客様をご案内し、ご契約までサポートさせていただきます。
一般的な不動産ポータルサイトと違う点は、内見問い合わせ後の対応も基本的にはカウカモ内で完結している点です。
日本の不動産のポータルサイトは集客装置としての側面が強く、例えばS◯UMOで問い合わせボタンを押して、S◯UMOの営業さんが出てくるわけではないですよね。
カウカモは物件を探すためのメディアサービスではなく、実際に不動産の購入 / 売却をサポートできる不動産サービスです。
4. n=1での定性的なユーザー把握
カウカモでマーケティングをやっていて、ユニークだと感じるのは問い合わせいただいたお客様の姿を、エージェントを通じてリアルに知ることができる点です。
接客を担当してくれたエージェントにヒアリングさせてもらうと、どんな雰囲気の方だったか、その方がカウカモにどんなことを期待してお問い合わせいただいたのかを n=1 で把握していくことが可能です。
弊社でも定期的にNPSなどの定量調査は行っていますが、お客様ひとりずつの粒度で定性的な情報を取りにいけるのは、PDCAのスピードを上げるためにとても有効です。
自分の考えた訴求やメッセージを通じてお問い合わせいただいたお客様の生の声をひとりずつ聞いていけるのはとても面白いですし、やりがいがあります。
5. インセンティブ施策のトライアル
今期、自分が担当させてもらっているプロジェクトで、LPをゼロイチで制作して、広告配信をスタートしました。
問い合わせ数の最大化のため、まだカウカモの会員ではないお客様にリーチしていくことが目的でした。
KPIは問い合わせCPA。初速は目標CPAを大きく超える水準からのスタートでした。
LPOのプロの会社さんにも手厚くサポートいただきながら改善を重ねていきました。徐々にCPAは改善、それでも目標CPAに対してギャップがあり、もう一段階改善が必要な状況でした。
トライアルとして、Amazonギフト券プレゼントキャンペーンを実施。
インセンティブ付与でCVRを高めることが目的でした。
結果、CVRは大幅に向上!CPAは目標の1/2程度まで抑制されました。
6. トライアルを受けての学び
お問い合わせ数も増加して万々歳!だったのですが、落とし穴が。
今回の施策についても、エージェントを介してお客様の属性や不動産購入のモチベーションをヒアリングしました。
通常のお申込みと比べて、次の接客につながる見込みのあるお客様が少なく、エージェントの接客リソースを圧迫する形になっていました。
インセンティブ施策には常についてまわる課題ではあるものの、n=1 粒度でお客様の姿を見ていくと、通常の問い合わせとここまで差が出ることになるのかと学びがありました。
現在はインセンティブ施策は終了し、次の打ち手を模索中。
課題は残りますが、CVRを改善するレバーがひとつ増えたので、プロジェクト上は重要なトライアルとなりました。
7. まとめ
n=1粒度で定性的情報が把握できると、PDCAを回す上で道を間違えづらく有益です。
カウカモは不動産というリアルな商材を扱っていて、かつ接客フローまで社内エージェントで完結しているので、情報がクイックに手に入るので、定量的情報と定性的情報を常に組み合わせて意思決定しています。
前職、広告代理店にいた頃から「ユーザーの質」みたいなワードは使っていましたが、カウカモのインハウスマーケを経験してからその言葉の意味合いも大きく変わってきた感覚があります。
以上、雑文で恐縮ではありましたが、読んでいただきありがとうございました!
ぜひ、カウカモアプリのダウンロードをお願いします!
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