「登山って何が楽しいの?」を考えてみる。
登山って何が楽しいの?
登山をしていて一番よくされる質問です。
何回も聞かれたことがある割に、ちゃんと答えられたことは一度もありません。
「登頂したときの達成感。」などと、月並みな事を言ってきましたが、よくよく考えてみると登山って何が楽しいんだろう?
この文章は、自分でもよく分かっていない「登山の楽しさ」を言語化してみよう、という試みです。
考えうる登山の楽しさを順に挙げてゆき、それらについて自分の考えを整理する中で、(個人的な)登山の楽しさを明らかにしていこうと思います。
結論から先に述べよ、というセオリーに反する文章構成となることをご理解いただき、僕の思考にお付き合いいただけますと幸いです。
①登頂したときの達成感
僕の初登山は「富士山」でした。
この登山の目的は、明らかに「日本一高い場所を目指すこと」でした。
この時無事に登頂は出来ましたが、それが「楽しい」という感情には繋がらなかったような気がします。
山の一番高いところを目指す登山の形態を「ピークハント」といいますが、僕は最近ピークハントにこだわっているわけではありません。(もちろん登頂できれば嬉しい!)
途中の行程で満足したのであれば、山頂に行かずに下山することもあります。
じゃあ、「満足」って何に満足しているんだろう?
北アルプス 大天井岳山頂の風景
②そこにしかない絶景がある
先ほどの「満足」は、山頂に行かずとも、美しい景色が見られたときに感じているものです。
山での悪天候時には、ガス(麓から見れば雲)がかかってしまう為、周りの景色はまったく見られなくなります。
悪天候が予想される場合、僕はその日の登山を強行せず、目的地を変更するか、登山を中止したりします。
これらを踏まえると、「そこにしかない絶景」があるというのは、僕の登山のモチベーションの大きな要素であり、登山の楽しさの重要なパートであると言えます。
でも、「そこにしかない大絶景」って、別に登山じゃなくてもいいですよね?
確かに山でしか見られない景色に登山では出会えますが、世の中には車でしか行けない絶景、海に潜らないと見られない絶景、空に飛ばないと見られない絶景だってあります。
もっと気軽に見られる絶景だってある中で、わざわざ登山をするということは、絶景だけが登山の魅力ではないはずです。
北アルプス 白馬大池の風景
③試行錯誤を繰り返してステップアップしていく
「登山って何が楽しいの?」と聞く人の裏の意図として、
確かに登頂したら嬉しいだろうし、景色が綺麗なのは知ってるんだけどさ、だからってわざわざキツい思いまでしてやる価値って何なの?
というメッセージがあると思います。
①②まで書いたところで、登山をしない人とやっと目線が合いましたね…
これに答えるひとつの事実として、ある程度山に慣れれば、始めたての頃に比べて、比較的楽に遠くまで、高くまで歩けるようになるということはあります。
でも「思ってるほどキツくはないよ!だから登山楽しいよ!」じゃ、説明になってない…。
しかも、登山を続けていると登山の難易度も上がる傾向があるので、結果として楽になりません。
実は、この「登山を続けていると登山の難易度も上がる」というのが、登山の楽しさを明らかにする重要な心理ではないかと思います。
登山を始めると、いろんな山があることを知ります。この山もいいなー、あの山もいいなー、が尽きません。
ですが「行きたい山」=「行ける山」ではないんですよね。
そのため、「行きたい山(目標)」=「行ける山(現状)」のギャップを理解し、目標に向けていろんな準備をします。
それは、数日間歩き続ける体力づくりだったり、足りない装備を購入したり、情報収集をして登山計画を立てたり、といろいろです。
そして実際に山に行くと、うまくいくこと、失敗すること、色々な気付きがあります。
その反省をもとに、次の絶景を求めて山の計画を立てる、準備をする、また山に行く…
これらプロセスを全部ひっくるめて、登山だと思っています。
登山は競争相手がいないので、目標を達成できるかは自分にかかっているし、自分の成長もわかりやすいです。
このように、登山の中で試行錯誤をして、ちょっとずつステップアップしていくことが楽しくて登山を続けているような気がします。
この楽しさは、陸上や水泳などのタイムを競うスポーツと似ている所があるかもしれません。(両方、競技としてやったことはないのでわかりませんが。)
北アルプス 燕岳より三日間歩いた道を振り返る
④結論
以上を踏まえて、自分なりの登山の楽しさをまとめると、
目標に向けていろんな準備、試行錯誤をしながらステップアップしていく過程が楽しい!そして結果的に、絶景が見られたらもっと楽しい!
といった感じでしょうか。
あまりまとまってないので、コピーライターにはなれないですね。笑
これから「登山って何が楽しいの?」と聞かれたら、自信を持ってこのように答えようと思います。
また、この文章を読んでちょっとでも登山って面白そう、自分に登山って向いているかも、と感じて頂けたら幸いです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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