見出し画像

普通のママ(40代)が【前十字靭帯損傷】した話<3>(術前リハビリ、かかりつけ医について)

負傷してから2ヶ月半後に、手術日が設定されました。これは早くもなく、遅くもなく、といったところでしょうか。スポーツ選手ですと、もう少し早い段階で手術をすることのほうが多いと思われます。

すぐに手術をしない理由

靭帯が切れているのだから、すぐ手術をして繋いだ方がいいと感じるかもしれません。しかし、負傷直後は患部が炎症を起こして腫れていたり、内出血して膝に血が溜まったりしています。私も負傷してから1週間後に、最初のクリニックで注射器で血を抜いてもらいました。(抜くとスッキリし、その後は溜まることはありませんでした。出血が止まったんですね)

初期症状がおさまると、比較的痛みもなく、普通歩行ができるようになってきます。最初はおっかなびっくりでしたが、慣れてくると階段や坂道も不都合なくなります。このまま歩いていいのかな?と思っていましたが、手術までの間に、怪我した足で普通に歩けるようになっていること、筋肉を落とさないことが大事とのこと。

手術は、膝を作り替えるようなもの。

ゼロになった足が、元に戻っていくためのベンチマークが、手術前の足です。そこで出てくるのが、術前のリハビリです。スポーツ選手の手記を読むと、この段階で負荷のあるリハビリをし、負傷していない足と比較して筋力を80%くらいまで持っていく、ということです。しかし、一般人の私はもともと筋肉もないので、トレーニングのようなことはしていません。私の術前リハビリは、最初にかかったクリニックで、膝のマッサージ、靭帯を補うために力が入り、こわばった筋肉をほぐすマッサージがメインでした。また、自宅でストレッチや少し筋肉を使った運動などをするように言われていました。それ以外は、とにかく普通の歩きかた(怪我をかばったりしない)ができるように普通に動いていました。

かかりつけ医の大切さ

ここまでの章で、最初にかかった整形外科クリニック、と書いてきましたが、ここからは「Wクリニック」と呼ぶことにします。
みなさんは整形外科のかかりつけってありますか?普通あまり無いと思うのですが、実はこのWクリニック、我が家のかかりつけ医だったのです。

というのは、次男(3歳)が肘内障(肘の脱臼)になりやすく、何度もWクリニックに駆け込み、肘を入れてもらっていたからです。

余談:肘内障の話

少し靭帯の話からそれますが、最初に肘が抜けたのはスーパーで、買ったお菓子を食べるために手を拭こうとした2歳のとき。わずかに手を持ち上げただけで号泣。その後、ダランとしてしまい、動かすと泣く状態に。姉の娘(姪)も肩が外れがちで、その時聞いていた症状に似ていたので、迷わず整形外科を調べ、訪れたのがWクリニックでした。この時、いくつかクチコミなども見ていたのですが、WクリニックはMRIなどもできる整形外科、リハビリテーション科、スポーツでの怪我も専門にしている新しいクリニックでした。子どもにもよいだろうと思いました。

「はい、入った」

それまで泣いていた子どもが、ケロッと笑い出しました。WクリニックのW先生は淡々としていますが、私には子どもを笑顔にしてくれた神様に見えました(そしてイケメン、マスク越しだけど笑)。その後、別の場所で肘が抜けたとき、その近くのクリニックに行って「入ったよ」と言われて一瞬泣き止んだのですが、一晩たっても泣き止まず腕を動かさないので、これはおかしいと思い、翌朝Wクリニックに連れていくと

「入ってないですね。。はい、入った」

と、また俊速で肘を入れてくれました。子どもはすぐ笑顔に。私は泣きそうです。「神!!肘の神!!!」とW先生を信頼、崇拝する気持ち、お子さんをお持ちの方なら分かってくれますよね。とにかく、私は自分が足を痛めたとき、すぐにW先生の顔が浮かび、Wクリニックに行けばなんとかなる!という気持ちでタクシーを飛ばしたのでした。

「リハビリはうちでやればいいよ」

診断の章で書いたように、W先生は少し私の足を動かしただけで「前十字靭帯切れてるね」とみて、すぐにMRIをして確定診断をしました。手術を選んだことで大学病院に紹介をすると言われた時、Wクリニックとのお付き合いはここまでか、と少し残念思ったところ「術前、術後のリハビリはうちでやればいいよ」と言ってもらいました。
大学病院も自宅から車で20分ほどなのでさほど遠くないのですが、週1で通うとしたら車で7〜8分のWクリニックのほうが楽です。術前はWクリニックへ通い、術後しばらくは大学病院でリハビリ、そのあとは大学病院からのリハビリメニューをもらってWクリニックへ戻ってくる、という感じでできるのだそうです。ホッとして「ぜひ!お願いします」ということでWクリニックでの術前リハビリがスタートしたのでした。

余談2:リハビリは2つの病院で受けられない

2か所以上の医療機関で同時または交互に同一の部位疾患の治療を行う重複受診はできない(なぜなら保険が適用できない)のだそうです。へぇ〜知らなんだ。

今回もそうですが、自分や家族が病気怪我、入院などになって初めて知る制度って多いですよね。高額医療費制度もそうですし、医療入院保険には入っていますが、医療負担が大きくならないような公的制度もあるので、そこまで手厚い保険はいらない(保険にするか貯金にするか、というところですが)のかなという気持ちもします。完全に余談でした。

術前リハビリは癒し

そうして始まった週に一度の術前リハビリ。担当になった女性のリハビリの先生は、自身も足首の靭帯が伸びている(切れていないでそのままにしている)そうで、体験談を話してくれる気さくな人です。1回20分、最近の調子を話ながら、膝のマッサージ、まわりの筋肉をほぐすマッサージをしてもらいます。たった20分ですが、自分の膝を定期的に診てくれる人がいること、手術までの不安な気持ちを聞いてくれる人がいること、一人ではないという安心感がすごくありました。

普段はリハビリだけでしたが、たまにW先生の診察も入っていました。話すだけですが、特に術前検査後や手術前には「大学病院の説明で不安なこととか、わからないことがないか」と聞いてくれたり「退院したらリハビリがんばりましょう、がんばっていってらっしゃい」と激励してくれたり。
「やっぱり神だわ(そしてイケメン。もういいって、笑)」ということで、術前リハビリは癒し、そしてかかりつけ医があって本当によかったというお話でした。

※カバー画像はWクリニックではなく、イメージです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?