千葉ロッテマリーンズのドラフト展望③〜過去の傾向から指名パターンを大予想!〜
どうも、やまけんです。
前回、前々回と、マリーンズのドラフト展望と題して指名のプランニングやおすすめの候補選手の紹介を続けてきました。今回はその延長戦として、過去の指名を振り返ってマリーンズのドラフト指名の傾向を探り、今年の指名がどのようなものになるかを考察(予想)したいと思います。
前回、前々回のnoteはこちらからご覧ください↓↓↓
スカウト・編成体制紹介
本題に入る前に、今年のマリーンズのスカウト体制についてご存じでない方も多いかと思うので、おさらいさせていただきます。
〈昨年からの変更点〉
昨年度と変更のあった点は主に2つ。
1つは、新たに有吉優樹スカウト、田中良平スカウトが加わり、昨年までプロスカウトを務めた松田進スカウトが今季よりアマスカウトグループに異動した点です。単純なスカウト人数で比較すると、昨季から2減3増で、1名増員した形となっています。
もう1つ変わった点は、新たに編成管理部長のポストに高橋薫氏が就任した点です。高橋氏は2016年から2年間マリーンズのアマスカウトを務め、その後広報を務めておりました。具体的な仕事内容については推測の域を出ませんが、アマ・プロ・海外スカウトの取りまとめなど、その名の通り「編成管理」の責任者的な立ち位置であることが想像できます。
実際に高校・大学の全国大会や東京六大学・東都大学野球のリーグ戦など、ドラフト上位候補の選手が出場する試合には担当スカウトや榎ディレクターとともに高橋部長も視察に訪れているシーンを目撃しました。
過去6年のドラフトから見える傾向
ここからは、2017年から2022年のマリーンズのドラフト指名を振り返り、そこから見えてくる傾向について掘り下げたいと思います。ちなみに、なぜ2017年から振り返るかというと、ちょうど井口前監督就任後のドラフトであり、このあたりから以前のドラフトと違う傾向が現れ始めているからです。
①1位指名はその年のナンバーワン評価選手
まず、肝になってくる「ドラ1」の指名について。過去6年を振り返ると、2017年の清宮選手を筆頭に、競合を恐れずその年のナンバーワン評価の選手に入札していることがわかります。
この例外としては2021年の松川選手が挙げられます。この年は結果的に隅田知一郎投手(西日本工業大→西武)に4球団の指名が集まったものの、球団によって評価が分かれていたこと、また「強打の高校生キャッチャー」であった松川選手がオンリーワン的な存在であったこと、ゆえに井口前監督からの評価が高かったことなどが要因に含まれているのではないかと推測されます。
今年も最初の指名はナンバーワン評価の選手になると考えられます。それがどの選手なのかは蓋を開けてみるまでわかりませんが…。
②外れ1位指名は1位指名の選手と類似ジャンル
と、抽選に外れた際の1位指名選手は入札した選手と類似ジャンルの選手を指名しています。
仮に今年の候補選手を例に出すと
のような流れになるのではないかと考えられます。
過去の傾向を基に考察すると、少なくとも2回目の入札までには投手から野手、野手から投手など大幅なプラン変更は起こらないのではないかと思います。
2回目の入札でも抽選を外し、「外れ外れ1位」の段階になると流石に…?
③1位選手と2位選手は必ず別の担当スカウト
過去6年では同じスカウトが1位の選手と2位の選手両方の担当になったケースはありません。今年を例に挙げると、1位で東都リーグ所属の大学生選手を指名した場合(※今年の東都担当は松田スカウト)、2位で同じ東都リーグの選手や松田スカウトが担当する他の選手(東京六大学や関東の高校・社会人など)の指名が続くことはない、ということになります。
偶然の可能性もあるため断言はできませんが、可能性として考慮しておく必要はありそうです。
④1位から3位のバランス…年代(経歴)編
過去6年の1位指名から3位指名の年代(経歴)のバランスについて。即戦力として活躍が期待される大学生・社会人と、そうではない高校生に分けてみると
と、必ず「高校生1選手」+「大学生・社会人2選手」という組み合わせになっています。
上位3選手がいずれも高校生、あるいはいずれも大学生・社会人になるといった可能性は限りなく低いのではないかと考えられます。
⑤1位から3位までのバランス…ポジション編
続いて、上位3選手のポジションを大きく「投手」と「野手」に分けた場合について同じように分けてみると
と、「投手1+野手2」「投手2+野手1」という組み合わせで年度ごとに交互に指名されております。
この法則からいくと今年は「投手1+野手2」になりそうな気がしてきますが、少なくとも「投手または野手の3人連続指名」の可能性は限りなく低いと見てよいのではないかと思います。
⑥日本代表選手
コロナ禍で世界大会のなかった2020年と2021年を除き、1位では必ず世代別の日本代表に選出された選手を指名しています。20年の鈴木投手も日本代表候補には選出されており、また個人的な意見になってしまいますが21年の松川選手も世界大会があればほぼ間違いなく日本代表に名を連ねていた選手だと思います。
2位以降でも代表やその候補に名を連ねた選手を指名しており、今年も上位に日本代表経験者が入ってくる可能性はありそうです。
⑦左投手
毎年必ず左投手を1名以上指名しています。2017年以前を遡っても、最後に左投手を指名しなかったのが2013年なので、注視すべきポイントの1つではないかと思います。
⑧高校生右投手
高校生右投手も毎年継続的に指名しています。今年も指名のどこかに絡んでくる可能性が高いと見られます。
⑨千葉枠
2017年は指名がありませんでしたが、
と、本拠地・千葉にゆかりのある選手を継続的に指名しております。このことから、今年も千葉出身の選手、千葉にゆかりのある選手の指名はあるのではないかと考えられます。
⑩新任スカウトドラフト1位担当のジンクス
と、この3年間は新任のスカウトの担当選手が1位指名されています(2022年はスカウト入替なし)。これも偶然で片付けていい要素かもしれませんが、今年度は松田スカウト、有吉スカウト、田中スカウトと新たに3人も加わったので、注視したいポイントではあります。
特に松田スカウトが担当する東京六大学・東都リーグにはドラフト1位候補の選手も多くいるため、可能性は比較的高いのではないかと見ています。
⑪支配下で指名する高校生野手は甲子園出場歴あり
2018年の山口選手や2020年の西川選手のように下級生時代に出場している場合も含みますが、支配下で指名する高校生野手は全員高校時代に甲子園に出場した経験のある選手です。逆に、育成で指名している高校生野手はいずれも甲子園出場歴がないので、これも偶然かもしれませんが、考慮すべきポイントとしてインプットしておきたいです。
ちなみに投手は、佐々木朗希投手を筆頭に甲子園経験のない高校生も支配下で指名されています。
過去6年の傾向を基にした今年のドラフト指名予想
ここまで、過去の指名から浮き上がったマリーンズのドラフト指名傾向を掘り下げてみました。ここからは、これらの傾向に沿って今年のマリーンズのドラフト指名について予想してみたいと思います。
なお、他球団の状況はいっさい考慮しないため、皆さんの想定よりも順位が上/下である…といったケースもあるかと思いますが、ご容赦ください。
1位:大学生左投手パターン
1位指名が大学生左投手(細野投手、武内投手など)の場合、補強ポイントと過去の指名傾向に照らし合わせながら考察するとこのような形になるのではないかと考えられます。
1位:大学生右投手パターン
1位指名が大学生右投手(常廣投手、西舘勇投手など)の場合、補強ポイントと過去の指名傾向に照らし合わせながら考察するとこのような形になるのではないかと考えられます。
基本的には左投手1位指名のパターンと大きな変化はありませんが、このパターンだと左投手を指名できていないため、過去の傾向から考察するとどこかで左投手の指名が絡んでくるのではないかと予想します。
1位:大学生・社会人野手パターン
1位指名が大学生・社会人野手(度会選手、廣瀨選手、上田選手など)の場合、補強ポイントと過去の指名傾向に照らし合わせながら考察するとこのような形になるのではないかと考えられます。
このパターンの判断の分かれどころは、度会選手や廣瀨選手らの希少性がどのように見られているか?という点です。今年のドラフト市場においては彼らに代わるスラッガー候補の選手はいませんが、来年のドラフト候補には大学生にスラッガータイプの選手が揃っているため「今年はまず投手を確保し、大学生の野手は来年指名する」と判断される可能性もあります。
一方で「来年の大学生野手と比較しても今年の度会選手らの方が上」「来年大学生野手を確保できる保証はないから今年のうちに」といった考え方ももちろんあり、このあたりは当日まで判断を楽しみにしたいと思います。
さいごに
今回はドラフトの「理想」というより「予想」を主軸に置いたテーマで書かせていただきました。もちろん過去の傾向が今年のドラフトに100%反映される保証はありませんが、「マリーンズのドラフト指名にはこんな傾向があるんだな」と頭の中に入れた上でドラフト会議当日をお楽しみいただけたらと思います。
ちなみに今回書きませんでしたが、1位で前田悠伍投手(大阪桐蔭高)や真鍋慧選手(広陵高)などの指名の可能性も十分にあると思っています。
ここから残り1週間で他球団に指名選手の公表などの動きが出ることも考えられますし、球団内で吉井監督を交えたスカウト会議も開催されると思います。
昨年・一昨年と指名選手の事前公表はありませんでしたが、今年は公表があるのか?そういった点まで含めて、ドラフト当日まで楽しみに待ちましょう。
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