薬膳の視点から見る紅麹
2024年3月22日に、小林製薬から発売されている『紅麹コレステヘルプ』というサプリメント(機能性表示食品)を摂取したことで腎臓の病気を発症、亡くなる方も出ているとのことが同社から発表されました。
報道では「小林製薬」「紅麹」「健康被害」の部分がクローズアップされていますが、塩麴や、甘酒などの発酵食品に比べあまり目にすることのないものであるだけに、紅麹=健康被害と感じるかもしれません。
けれど、薬膳では紅麹にも効能があると考えられていて、漢方や薬膳の食材事典にも載っている食材の一つです。
ここでは、薬膳の視点から紅麹について解説して行きます。
健康被害の概要と現段階でわかっていること
小林製薬のサプリメントを摂取していた方のうち、3月28日現在、亡くなった方は4名、入院される方が106名ということが分かっています。(NHK NEWS WEBより)
健康被害を招いた原因は調査中ですが、厚生労働省が『紅麹コレステヘルプ』から天然の化合物「プベルル酸」が検出されたことを発表しました。
紅麹自体に問題があるとは言われておらず、現段階では混入されるはずがない(というニュアンス)「プベルル酸」が製品から検出されたということに留まっています。
紅麹自体を害があるものとは今現在は言われていません。
では、薬膳の視点からは紅麹はどのような使われ方、効能があるかを解説して行きます。
紅麹とは
紅麹は米にベニコウジカビを培養させた麹の一種で、紹興酒や味噌の醸造に使われる他、沖縄の豆腐ようを作る際に豆腐を泡盛と共に漬け込み発酵熟成させるために欠かせないものです。
また色が赤いことから赤い色の着色にも使われます。(ベニコウジ色素で小林製薬の紅麹とは別物)
薬膳ではすべての食材には食べると体が温められる、体にこもった熱を冷ます、そのどちらでもないという性質があるとされますが、紅麹は温める性質(温性)になります。
効能は、血巡りの促進や消化不良などの胃腸の状態を整える他、冷えて痛む腹痛などに良いとされます。
効能の応用で、打撲の状態にも他の食材と合わせて煎じて飲むと言う方法もあります。
米麹と紅麹の違い
薬膳で言われている米麹の特徴が温める性質の温性なのは紅麹と同じですが、
■消化を助ける
■パワー不足、疲れが溜まっている時のパワーを補う(補気)
■胃腸の状態を整える
と言うものに対し、紅麹は前述した通り
■血巡りが悪いための末端の冷え
■肩こり
■シミやくすみ等が気になる
などの、血流が良くないことによるお悩みにおすすめと言う違いがあります。
まとめ
紅麹自体には今のところ問題と言われることは報告されていません。
もし、紅麹自体に問題があるのであれば紹興酒でも健康被害が出る可能性がありますし、豆腐ようでも同様の被害があるのではないでしょうか。
今回のサプリメントによる健康被害問題をきっかけに、何が問題なのかという本質を知ることが大切だと感じています。
薬膳の視点からの紅麹には血流の問題を解決する効能が昔から使われていますのでそれを合わせて知っておいていただきたいと考えています。
【関連記事】
『東洋医学で解く!キャラタイプ別不調予防アドバイス』で五臓の弱りをキャラタイプで解説しています。
下のバナーをクリックしてお客様にすすめてみてください▼
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?