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薬膳では、〇〇にはコレとか△△にはコレというようにある一つのお悩みに一つだけ食材を勧めることはあまりしません。

その人の悩みの原因がわからなければ、一つの物を薬のように使うことがかえってその人の不調の改善にならないかもしれないからです。

妊婦さんにははと麦をお勧めしないとツイートしたら、なぜ勧めないのですか?と質問をいただきましたので、こちらで解説しますね。

私は妊婦ではありませんが・・・

妊婦さんにはと麦をお勧めしない理由

いいと聞くと、そればかり食べたり飲んだりし続ける人がいるから。

以前、ルイボスティーにはカフェインが入っていないので妊婦さんにも飲めるということが日本だけでなく海外でも盛んに言われました。

すると、妊娠中のお茶と言えばルイボスティーと認識し、朝から晩まで毎日何リットルも飲み続ける人もいたようです。

その結果、ポリフェノールの過剰摂取で、赤ちゃんの血管の一部(動脈管)が狭まったり閉鎖したりする「動脈管早期収縮(Premature Constriction of Ductus Arteriosus:PDCA)」を引き起こすおそれがあることがわかって来ました。

はと麦が浮腫んだ時の水分排泄におすすめだと聞くと、浮腫む根本の原因を調べずに、はと麦ばかり食べ続けたりはと麦茶ばかりを飲み続ける人がいることが想像できるからです。

一つの食材には良い面もあればその人にとって良くない面もあります。

その上、多量に摂り続けた結果が妊婦さんや赤ちゃんにどう影響するかは
実際の妊婦さんで実験することができません。


どのような摂り方をする人がいるか分からないものについては特に妊婦さんと言う特殊な状況ではお勧めしないのです。

はと麦は冷やす性質を持つから

はと麦は冷やす性質を持ちます。

妊娠前からはと麦を食べていて自分の体でどの程度食べると体はどうなるかが分かっている場合は良いのですが、特に妊娠初期の安定しない人は珍しいものを食べない方が良いと考えます。

様々なことに敏感になっている妊婦さんが、妊娠してから自分の判断で今まで食べたことのないものを摂ることには注意が必要です。

冷えは血流にも影響します。なので冷やすことを知っていない人にはそのことと量の関係も判断してもらわなければなりません。

体質的に合うか合わないかが分からないから

薬膳では、その人に合うか合わないかは、その人の身体の状態を目視や質問などから弁証します。

妊婦さんと言っても、ベースの体質はそれぞれで、「妊婦」としての傾向はあっても全く同じではありません。

中医学の食材事典には、昔の文献から「妊婦注意」「妊娠初期注意」などの注釈がついています。

中医学の食材は何千年もの統計学のようなものなので、当時のエビデンスは残っていなくても、昔の妊婦さんにはと麦の摂取に気をつけるよう言われる根拠があったのでしょう。

気の向きを下に下げる効能があるから

中医学では、体の構成要素「気血津液」の、気が流れるとそれに乗って血(けつ)と津液も体内を流れると考えられています。

はと麦には気の向きを下に向ける働きがあるため、体内の不要な水分が下に流れる、つまり排出できるということになるのですが、同様に考えて流産するかも?とはと麦やはと麦茶を妊娠中に摂るのは危険というツイートが流れたことがありました。

はと麦他の物を原料にしている「爽健美茶」が標的のようになったと記録にあります。

ですが、その根拠はないと医師も発表しています。

ただし、はと麦の過剰摂取についての危険性には触れています。

<一般> ・ハトムギを通常の食品として適切に摂取する場合には安全性が示唆されているが,ハトムギ根または種子抽出物をサプリメ ントとして摂取した場合の安全性については十分な情報が見当たらない.
<妊婦・授乳婦> ・妊婦がハトムギを過剰に経口摂取することは危険性が示唆されている.動物実験では,ハトムギ種子抽出物は胚毒性や子宮 収縮の促進作用が認められたため,妊娠中は過剰摂取を避ける. ・授乳中の安全性は十分な情報が見当たらないため,過剰摂取を避ける.
                     妊娠中のはと麦使用について

日本補完代替医療学会誌 第 15 巻 第 2 号より 

〇〇にはコレ、△△にはコレと良いと言われるものを限度なく摂ってしまう人が一定数います。

これまで食べたり飲んだりして来た物であっても、それが妊娠中のデリケートな体であれば合わなくなることもあるのに、まして初めて口にするものは止めておいた方が無難です。

食材であっても漢方薬の原材料になるものは、効能も高いので特に注意が必要と考えます。

このような理由から、妊婦さんが珍しい薬膳食材を摂ることで不安にならないよう、SNS等では「妊婦さんにはおすすめしません」という書き方をしています。

カウンセリングや講座では、その方の体調をヒアリングしながら他の食材もおすすめしています。

その中では、白身魚は普通にスーパーで買えるもので、誰でも何度かは食べたことがあるもの。

妊婦さんにお勧めできる要らない水分排泄の食材です。

白身魚と言っても種類はいろいろあるので、その時期に獲れる旬のものを食べれば一つの食材だけを食べ続けることにもなりません。

まとめ

はと麦に関しては過剰摂取をしなければ問題ないと言えますが、SNS等では特に妊婦さんには慎重にしています。

これまで妊娠を望んでもなかなか授かることができずやっと妊娠できた方には珍しい食べ物や飲み物をお勧めすることはしていません。

人は、これまで食べたり飲んだりしたことのないものを急に食べて体調が悪くなると、それが原因ではないかと疑いやすいものです。

妊娠に関して気を遣っている人にこそ珍しいものには慎重になり主治医と相談してから摂ってもらうことをお勧めしています。

このような理由から、SNS等では妊婦さんに注意してもらうために「妊婦さんにはおすすめしません」としています。

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