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「気」ってなあに?

中医学を学ぶときに、出てくる「気」という存在。見えないものだけに、捉えづらくなんだか怪しい感じ?さえする言葉と感じる人もいるかもしれません。

中医学においては「気」という概念は、とても重要な位置付けにあります。
自然界を構成する最も原始的な物質で、気の運動・変化によって自然界のすべてのものが誕生して存在すると考えられています。

量子力学で解明されていたはるか昔に理解されていたというのも凄いことですね。
中医学では、『気=エネルギー』で自然界のすべての物・現象を作り出すものとされています。


日本語にも「元気=気の元」「病気=気が病む」「空気=空に気がある」「寒気=冷たく寒いと感じる気」「暖気=温かく感じる気」という自然界の気の言葉や、「やる気」「根気」「負けん気」「気が上がる」「気が下がる」「気が短い」「気が長い」「色気」など人の気についての言葉も多くあり、日常で何気に使っていますが、実はこれらのものは全て見えないものを指していますが、それぞれに感覚として持っているものですよね。
先人たちは、見えない「気」を大切に生きていたんだと感じますね。

そんな気についてもう少し掘り下げていってみたいと思います。




「気」はどこからくるの?

気は見えないものですが、私たちの体にとってとても重要であることは、なんとなくわかったのですが、一体どどこで作られているの?という疑問について書いていきたいと思います。

1. 食べ物から
中医学では、気を作るための源は、食べ物から得られる栄養=水穀精微(すいこくせいび)と言われています。私たちが何気に食べている食べ物から「気」が作られているとされています。

2. 呼吸から
私たちが絶えずしている呼吸は、自然界の気として体内に取り入れられ、体内に運ばれます。中医学では、食べ物の栄養と呼吸から取り込まれた気が合わさって「気」が作られるとされています。
改めて先人たちの観察力と想像力の高さにびっくりします。


3. 両親から受け継がれる
受精卵が細胞分裂するときに気が受け継がれて分裂すると考えられています。(中医学では生命誕生の源のことを=精を呼ばれています)


体の中にある「気」の働き

次に、気は体の中でどんな働きをするのでしょうか?

1. 温める
気は温める働きがあり、熱エネルギーとなります。体温を保ち、各臓腑や組織が正常な働きを保たれています。気は陽気とも呼ばれれています。
気が不足すると、熱エネルギーが足りず冷えが出てきます。
逆に気が多い人は体温が高く免疫力も高い人です。

2. 促進する
気は、体の発育や成長、臓腑や組織の生理機能を促進します。気から血を作り、津液(血以外の液体)を作り、分散させたり排出を促します。
赤ちゃんは、気の塊と言われます。短期間で成長するために多くの気が使われます。

3.   防衛する
気は、外から入っていくるウィルスや邪気などから体を守る働きがあります。
今で言う免疫力と言われる働きのことと同義語ですね。

4. 固摂する(固定し外に漏れ出ないようにする)
内臓の位置を固定して、血やその他の液体が漏れ出ない様にコントロールし、また汗や唾、尿などの液体を管理しているとされています。
年齢を重ねると、皮膚が垂れ下がるのは、まさに気が不足して固定できない状態です。

5 気化させる
気化とは変化させるという意味で、食べ物と呼吸によって体に取り入れられた空気を「水穀精微」という栄養物質に変化させ、気、血、津液、精を作り、さらには、汗や尿、便などに変化させるとされています。

6 栄養する
気の種類の中には、血液と一緒に流れ、臓腑や組織を潤しながら熱を冷まして体温を一定にしようとする働き、「養う」働きがあります。


「気」がどの様な状態?

気が正常な量と流れで動いていると、体は正常に働きます。
気が不足すると元気が出ず「気虚」と呼ばれます。
また、気の量はあるけれど気が動きづらい状態で停滞していることを「気滞」という状態になり、気が逆流していると「気逆」と言います。

「気」は無造作に流れているのではなく、経絡という体の通路を巡って、体全身を循環しています。そして経穴(ツボ)は気の流れが滞りやすい地点で、鍼灸やツボマッサージなどで利用されます。

「気」を上手に扱うには


私たちの体にとって「気」がとても大切なことはわかっていただけたと思いますが、日常「気」を意識して生活している人は多くはいないのではないでしょうか?

ただ、私たちは無意識に「気」を調整して暮らしています。
例えば、気が滅入った(考え込み憂鬱な気分になること)とき、皆さんはどうやって、発散しますか?
・走って運動する。
・カラオケで大声を出し発散する。
・サウナで整える。
・お風呂で癒される。

といった感じでしょうか。

気が滅入った時、気は体の中へ、そして下へと深く下がっていきます。
そして気が滅入った状態が続くと、気の流れが悪く上に上がらないため、臓腑を温めることができず臓腑の働きも低下します。
すると?食欲がなくなり、どんどん状況は悪化します。

下がったものを上げるには?
気を上げて外へ発散する働きのあることをすると、バランスが取れていきます。
具体的には、自分の大好き(推し)なものに没入することで、気が上がり滅入った気が晴れてきます。

また、いつもと同じ環境から離れて、旅行したり美味しいものを食べるということもテンションが上がりますよね。
(簡単にいうとテンションが上がること=気があがる感じです)

自分だけの、気分があがるアイテムをたくさん持つことで、気が下がった時にうまく対処してくれる頼もしいパートナーになります。
ちなみに私の気が上がることは
・愛犬と走る
・温泉へ行く
・ドライブをする
・海を見る
・カフェでお気に入りのランチを食べる
・韓国ドラマを見る
などです。

ありきたりですが、気が上がらないなと思ったときには積極的に生活に取り入れるようにしています。

皆さんも「気=エネルギー」を知り、コントロールすることで
毎日楽しく元気に過ごしてください🎶

このように「気」を意識しなくても、私たちは感情を整える工夫と知恵を日頃の生活で自然と見つけています。

そして、私たちの体は自然界の状況にとても影響を受けて生活をしています。
なので、小さな四季の変化をキャッチしながら、それに合わせた生活をしていくことが、気を整えることにつながります。


みなさんも、「気」を意識してみると、日常がまた違う視点で見ることができ、自分の体と心を整えるヒントが見つかるかもしれません。
ぜひゆっくりと自分の生活の中で自分の「気」を感じてみてください。

長くなりましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。


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