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白露〜暦と薬膳

和漢薬膳士のあずきです。
元々管理栄養士で病院などで勤務経験がありますが、
生まれながらに虚弱体質。
それが薬膳と出会ってから体調が良くなり、目の前が明るくなりました。
暦や季節の巡りに沿った薬膳の知恵は
本当に心地よいもので世界を変えてくれました。

この心地良さをどなたかと共有したくて、
今日もnoteを綴っていきます。

心地よい秋の風と葉に露。

9月8日から、白露。
じめっとした夏の空気から、
爽やかな空気に変わっていっているのを感じている方も多いのではないでしょうか。
朝はずいぶん涼しくなって、寒暖差が大きくなり、
草の葉先に露が見られるようになってきます。

夏の間、暑さにかまけて草取りをサボり、
草むらになっていた庭の草とりをしたのですが、ずいぶん抜きやすくなっていました。

暑い中水分をしっかり吸収すべくしっかり根を張っていた夏から、子孫を残すために種子の方にエネルギーを集中させていく秋。根っこが緩んで抜きやすくなります。

今を逃すと、今度はタネがばら撒かれ、雑草の思うまま…!今のうちに抜かねば!と、どんどん抜いていったところ、

綺麗な音で鳴いてくれていた鈴虫がいなくなりました。(当たり前ですね…)夜、寝る時の良いBGMだったのですが残念です。
草と鈴虫のちょうどいい具合が、難しい。


9月9日は重陽の節句

 この白露の時期の最も注目すべきイベントといえば、重陽の節句。五大節句のトリを飾るこの節句をぜひお祝いしたいものです。

 ちなみに、五大節句とはこちらのこと。

【五大節句】
1月7日(人日の節句)七草粥
3月3日(上巳の節句)ひな祭り
5月5日(端午の節句)こどもの日
7日7日(七夕の節句)
9月9日(重陽の節句)

 他の節句に比べて地味な印象の重陽の節句ですが、
9月9日、『陽数』と言われる奇数のいちばん大きな『九』が重なる日(陽が重なる節句)ということで、とてもおめでたい日なのです。なのですが、陽数が重なると良くないとも言われていて9が重なるということで、お祝いと同時に邪気払いをする日でもあります。

 重陽の節句といえば、菊。菊は、昔から邪気を払うものと信じられてきました。重陽の節句では、菊を飾り、食用菊をお酒に浮かべて楽しみ、長寿と無病息災を願います。

 私も、昨日菊の花を買ってきました。そして和菓子屋さんで、重陽の節句の和菓子『着せ綿』を予約してきました。(はぁー楽しみ)

 この着せ綿にも由来があるんですが、
節句の話になるとついわくわくして長くなるので、
また別記事で書こうと思います!

 そうそう、3月3日が桃の節句で女の子の成長を願う日であることに対し、重陽の節句は、大人の女性の健康を願う日でもあります。
そこのオトナな女性の方々!ぜひ自分のために重陽の節句をやりましょ。

白露のすごしかた〜夏の疲れをひきずらない

 白露の過ごし方のキーワードは『夏の疲れをひきずらない』。
夏の疲れをここで癒すかそのままひきずっていってしまうかで
冬の体調が変わってきます…!

 ここでしっかり養生して、冬に備えたいもの。
夏と変わらず、エアコンガンガンつけてませんか?
夏と変わらず、冷たいものを食べたり飲んだりしていませんか?
裸足でサンダル、履いていませんか?

 まだ日中は暑いですが、空気はだんだんと冷えてきていますので、
足元は靴下を、エアコンは程々に。
そしてしっかり眠ることも大事です。

白露の食養生

 秋の乾燥した空気が取り巻くこの時期、
花粉症の症状が出たり、咳が出る…という方もいらっしゃるのでは。
この時期は、身体の潤いを取り入れ夏にこもった熱を冷まして肺を丈夫にすることが大事になってきます。

 ここで大事なのは、
熱を冷ます=冷たいものを食べたり飲んだりする、ということではないのです!

 例えば、緑茶は熱い状態でも身体の熱を冷まします。
でも、生クリームが主成分のアイスクリームは、胃腸を冷やすけれど身体の熱をとるわけではないのです…

 ここでは身体の熱をとる食材を、冷えた状態ではなく常温〜温かい状態で飲食する、ということがポイントです。

 秋なすは今がとっても美味しい時期。身体の熱をとり、潤わして、さらに余分な水分も出してくれます。

 山芋は、薬膳では薬かのように勧められる食材。ネバネバはマンナンという水溶性の食物繊維で、お腹の調子を整えます。夏に疲れた胃腸を回復させるのに良い食材。

 梨も処暑に引き続きおすすめです。秋の味覚楽しみ潤っちゃいましょう。冷蔵庫から出してすぐではなく、少し経ってから食べるのがおすすめ。

 レンコンは穴が空いているその形から気管支や肺に良いと言われている食材ですが、呼吸器系の炎症を鎮めて潤いを補うとされていて、秋の時期にはとてもおすすめの食材です。

 夏の疲れをひきずらず、ちょっとだけ冬を意識しつつ、
秋を楽しみましょう!

 最後までお読みいただきありがとうございました。
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