アンチエイジング・スローエイジング
こんにちは!
北海道の中医薬膳師、みやこです。
日々のちょっとした不調を整える薬膳などを紹介しています。
第10回(春分)は、エイジングです。
「エイジング」とは「加齢」のことですが、現代では「老化」という意味で使われることも多いようです。
「疲れが取れない」「記憶力が悪くなった」「シワや白髪が増えてきた」、、これらは言わずと知れた老化のサイン。
対策としてエナジードリンクを飲んでみたり、脳によいといわれるサプリメントを摂ってみたり、美容成分が濃厚な化粧品を使ってみたり。
このような老化に抗う「アンチエイジング」も悪くないですが、老化とうまく付き合いながら歳を重ねる「スローエイジング」という考えもあります。
若返りではなく、老化の時間をゆっくりすすめるスローエイジングは無理がなく、とってもオススメなんです。
年齢に合わせた養生をして健康に生きるというエイジングケア、これはまさに中医学。
実は、中医学は健康と長寿を1番の目的として発展した、いわばエイジングケアの学問です。
中医学にはエイジングケアの知恵がたくさん詰まっています。
「女性は7の倍数」って聞いたことありますか?
これは中医学の古典『黄帝内経素問』に書かれているもので、女性は7の倍数で身体が大きく変化するということです。
どんな変化かというと、、
7歳…歯が生え替わる
14歳…月経が始まる
21歳…身体ができあがる
28歳…身体が最も充実する
35歳…顔のシワやくすみなど衰えが始まる
42歳…シワ、シミに加え白髪が現れる
49歳…閉経する
もちろん環境や体質により個人差はありますが、おおむねこのような感じです。
ちなみに男性の変化は8の倍数でやってきます。
老化は身体各所のはたらきが衰えてくることによって進んでいくので、エイジングをゆっくりと進めていくためには各所のはたらきを低下させないことが重要です。
中医学では身体各所のはたらきを「肝・心・脾・肺・腎」と5つに分けており、これを「五臓」といいます。
老化防止には五臓それぞれのはたらきをよくすることが望ましいのですが、その中でも特に大事にしたいのが「腎」というところです。
腎は生命力の源で、成長、発育、老化に密接に関係しています。
私たちは腎に蓄えられている生まれ持ったエネルギーを消費しなが生きていますが、それを日々の飲食で補いながら成長しています。
ですので、エイジングケアの薬膳ポイントは「腎のはたらきをよくする=腎を補う」ことになります。
腎を補うには黒いものや海のものがよいとされています。
黒い食材は、黒胡麻、黒豆、黒米、黒キクラゲなどです。
海の食材には、牡蠣、ホタテ、アワビ、イカ、タコ、エビ、タラ、カツオ、海苔、ひじきなどがあります。
その他、胡桃、栗、長芋(山芋)、カリフラワー、ブロッコリー、キャベツ、羊肉、豚肉なども腎のはたらきを助ける食材です。
余談ですが、腎を補うだけでなく胃腸のはたらきを助け肺を潤すはたらきもある優秀な薬膳食材である長芋、薬膳を学ぶとそれを使う頻度が各段に増えるというのは、薬膳あるある。
ちなみに。
「腎を補う」のものは「成長を助けるもの」でもあるので、老化が気になる大人のエイジングケアだけでなく、子どもの食事にもぜひ取り入れていただきたいです。
家族で腎を補って、元気に楽しく過ごしましょう。
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☆次回は清明(4/5〜)に更新です!
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