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“服薬指導”で一番大切なことは〇〇を受け入れること

どうも、薬剤師の川島です。

『服薬指導シリーズ①』

今日は“服薬指導”で一番大切なことを書いていきます。

薬剤師以外の人は“服薬指導”“コミュニケーション”“(会社での)指導” と置き換えてもらうと応用可能なので、是非最後まで読んでください!

まず一つ質問です。

服薬指導で一番大切なことは何か?と聞かれたら何と答えますか?

傾聴? 共感?

算定要件を満たすこと、と答える人もいるかもしれませんね。

どれも正解ですが「一番」はこれです。

一番大切なのは“相手の価値観を受け入れる”

『承認』と言い換えても良いかもしれません。
僕も服薬指導の本を色々読みました。どれも素晴らしい事が書いてあるんですが、ベースはテクニックなんですよね。

よくあるテクニックは傾聴しましょう、共感しましょう。

問題を掘り下げるためにオープンクエスチョンクローズドクエスチョンを使い分けましょう。

コーチナラティブといった横文字も近年流行っています。

じゃあ、そのテクニックを使ったら服薬指導は上手にできるのでしょうか?

出来る時もあれば、出来ない時もありますよね。

まぁ「会話」「指導」は人対人なので、成功率100%にはなりませんが、そうはいっても確率は上げたいですよね。

テクニックは学んでロールプレイは上手くできるんだけど、実際の患者さんと話す時には上手くいかない、という方は、ここからが本題です。

ではその前に、そもそも“服薬指導”とは何なのでしょうか?

“服薬指導”という言葉にだまされるな

服薬指導という言葉を見ると、どうしても“指導する”ことが目的ととらえられてしまいます。

服薬指導とは、薬剤師の業務の一つで、患者に対して処方薬の薬効や副作用などの説明(情報提供)を行うこと。薬剤師法で義務として定められている業務であり、必ず行わなければならない。~製薬業界の転職支援 アンサーズより引用~

指導=一方通行のイメージですね。

しかし服薬指導で求められていることは一方通行の情報提供だけではなく、患者さんの治療効果をあげてQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)の維持・向上につなげることが求められています。

部下の指導で言えば、部下の行動変容・成長につながるのが“指導”ですよね。

QOLの向上とは

じゃあQOLの向上とは何でしょうか?

これも人によって回答が様々だと思います。

『回答が様々』というところがポイントです。

例えば薬を飲むかどうかをとっても

“薬を沢山飲んで(副作用が多少出たとしても)自分の状態を少しでも良くしたい!”という人もいれば“命に関わらないなら多少の痛み(障害)があっても薬は少ない方が良い!”という方もいます。

例をあげていけばキリがないのですが、要は患者さんによって大事にしたいポイントが違います。

その中で患者さんのQOLを上げるにはどうするか?

まずは患者さんの価値観を受け入れ、寄り添い、その上で患者さんから出てくる問題を解決していく、というのが重要ですよね。

では、もしあなたが“多少の障害があっても薬は少ない方が良い”という価値観だとして、患者さんが“薬を沢山飲んで(多少副作用が出たとしても)少しでも良くなりたい”という価値観だった場合にどうしますか?

傾聴して共感した(フリ)をして最後には自分の価値観を押し付けて「薬は少ない方が良いですよ!」という結論を押し付けますか?

しないですよね?まずは患者さんの価値観を受け入れたうえで、どうするか?を考えると思います。

(一言で言うと“論破”してもシコリを生むだけだよ、という話です。)

というわけで服薬指導で一番大切なのは

『価値観は人によって違う。まずはそれを受け入れる』(承認する。)

こと。これが服薬指導のスタートなのです。

じゃあ価値観の違いって、どうやって判断するのか?

そこまで深い関係じゃなくてわからない時は、どう対応するのか?

そんな時に役に立つのが「世代別価値観の違い」です。最終的には個人差があるので会話が必要ですが、世代ごとに大きな価値観の違い(僕はこれを“世代間の壁”と呼んでます)を理解しておくと良いと思います。

その話は次回に。

今日も最後までご覧いただきありがとうございました!

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