スタチュード戦記
ーーーーそれはまずアメリカ合衆国、ニューヨーク市で確認された。
明け方、サムは奇妙な揺れと音で目を覚ました。ソファで酒を煽り、TVをつけっぱで寝ていたらしい。服は昨日のままだった。
「ファック!ジャパン地震がここまできたか!それともゴミ収集車がうちのアパートに突っ込みやがったか。」
彼は寝ぼけ眼で罵り、何が起きたか確認する様に窓を開けた。
窓を開けると、目に飛び込んできたのは一面の緑の光景だ。
青々とした色は見るものの心を癒すだろう。
しかしサムは、あんぐりと口を開け、こう呟いた。
「クレイジー……」
次の瞬間、彼は転がる様に部屋から逃げ出した。
彼が飛び出して数秒後、サムのいた部屋は粉々に砕かれた。
女神様のくるぶしが、ジヒをお与えになったのである。
同日、ギザのスフィンクスが、バトゥのスカンダが、ベネチアのダビデが、カマクラのアミダ等がイリオス遺跡を目掛け走り出した。
世界最強の座に、その足で、股がるために。
【to be continued……】
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