フランケンシュタイン博士の怪物

フランケンシュタイン博士に生み出された怪物

それが私だ

子供の頃から私はひとりぼっちだった

人間たちは私を見ると

石を投げて近づくなと責め立てた

気味が悪いと言われて

仲間には入れてもらえなかった

いつしか私は

自分が人間ではないのだと気づいた

だから人間になるために

振る舞いや仕草を模倣した

より人間らしくなるために

多くの人間の肉体と魂を奪ってきた

たくさん学んでたくさん奪って

私は人間のふりをするのが上手くなった

この舌は皆に愛されたあの人から

この腕は書き物が上手だったかの人から

こっそり奪い取ったものだ

私の心と体はツギハギだらけ

誰かから奪った寄せ集めでできている

本当の自分はもうほとんど残っていない

人間の模造品であると皆知っているのではないか

あいつは偽物だと言われるのが恐ろしい

本当の自分なんか消えてしまえばいい

だからそう、自分を創った博士には

どうか自分を壊してほしいと願っているのだ